フラグ80 ページ41
「今日もありがとうございました」
「いえいえ、明日は何時ごろになりそうですか?」
「明日は確か短縮授業なので、四時前には来れると思います!」
探偵社の扉を閉める。武装探偵社、とかかれたプレートの枠がキラリと光れば、私の今日は終わる。
明日の予定を確認しながら階段を降りて、右に曲がって、オレンジと白の街灯を追いかければ、明日へ続く夜が始まる。
私の日々は、充実していた。
異能力、なんてものが私にあると知ったときは驚いたけど、探偵社の皆さんが一生懸命私を見守ってくれているから心配ない。
あとは自分で行動を起こさなきゃ。
大丈夫。上手く力を使えば厄介事だって幸せに変えられるってことを知ったから。
帰宅して玄関を開けると、真っ先に出迎えてくれたのはカレーの香りだった。私も父さんもカレーは大好きで、二人しかいないのにいつも大きな鍋で作る。
私達と同じくらいって訳ではなかったけど、「今日もカレーなの?」と聞く母さんの顔もいつも嬉しそうだった。
「ただいまー!今日はカレーだね!」
靴を脱ぎながら台所の父に聞こえるように声を張ると、おかえりーと返ってきた。
急いで自室に行き、制服から部屋着に着替えてダイニングに走る。テーブルには私の鼻が感じた通り、美味しそうなカレーライスが盛り付けられて、ほわほわと湯気をあげている。
「速いな」
「当たり前だよ!カレーだから!」
いただきます、と二人で手を合わせて、待ちわびていた一口をスプーンにすくう。口に運べば程よい辛さが舌を刺激し、香辛料の香りが鼻に抜ける。
「おいしい......」
「いつも初めて食べたみたいに喜んでくれるな」
いつ食べてもおいしいもん、そう言うとそりゃそうだ、カレーだからなと父は頷いた。
カレーに絶対的な信頼感を抱くぐらい、私達はカレーが大好物なのだ。一日三食これでも良い。
「そういえばカレー久々だよね?どうしてこんなに封印してたの?」
前に食べてからだいぶ時間が空いた。
もちろん、栄養バランスとかを考慮したら毎日カレーって訳にもいかないのは分かってる。
でも父は私に負けないくらいのカレー好きだ。
「それは......」
父が手を止めた。
.
1068人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花岳(プロフ) - チョコレヰトさん» ひゃーー!お褒め頂き光栄です......!ありがとうございます。相変わらずだらだら更新していくと思いますが必ずや完結させてみせますので!応援よろしくお願いします! (2019年2月11日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレヰト - おおお…面白いですね!ギャグ一直線って言うわけでもなく、かと言って重すぎるシリアスも無く…!!丁度良くて、見つけて一気読みしてしまいました…w応援してます!更新頑張ってください!いつまででも待ってます! (2019年1月27日 22時) (レス) id: 9bf0bfde55 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 結愛さん» 素敵なほのぼの文芸部だったんですね...こちらはガチガチ文芸部です...〆切前は常に修羅場で、よく悲鳴があがってます。それはそれで楽しいんですけどね!他校の部活の様子を聞けて嬉しいです!コメントありがとうございました!! (2018年9月19日 1時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 私も文芸部だったのですが、私の居た文芸部とは違うのですね…。(私の居た文芸部では皆好きなようにお絵描きしてました) (2018年9月17日 13時) (レス) id: 4e4bc357c1 (このIDを非表示/違反報告)
花岳(プロフ) - 紅夏さん» ありがとうございます!!!!もう、ほんとにありがとうございます。待ってる、と言って頂けるだけで頑張れます。絶対書き上げますので、待ってて下さい!、 (2018年9月17日 11時) (レス) id: 95c5868039 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花岳 | 作成日時:2018年1月10日 23時