検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:6,062 hit

お布団ぬくぬく編 ページ2







A「銀ちゃん、なぁ、起きてる?」



銀時「寝た」



A「起きてるやん」






寺子屋の中にある一室。

時刻は夜遅く、小さな声が部屋に響く。







A「なぁ、銀ちゃん」



銀時「………」



A「え、寝たん…?なぁ、起きてや…」






返ってこなくなった返事に、Aは被っていた布団を捲り、隣で丸まった布団を軽く引っ張った。





A「なぁ、銀ちゃん、」



銀時「…………」



A「銀ちゃ…」



銀時「ッダァアアア!!なんっだよお前!!寝たつっただろ!」






微妙に眠りの妨げになっていたのに我慢ならず、銀時はガバッと起き上がった。

が、目の前にいるAの顔を見てハッとした。





銀時「んで泣きそうなんだよ…」



A「…寝れんくて、なんか気持ち悪い」



銀時「はァ…体しんでぇの?どっか痛いか?」



A「…ううん、なんかやな気分やねん、」






Aと出会い、共に過ごすようになってからこういう事は既に何回もあった。

出会った当初は、なんだこいつと銀時自身思っていたが、松陽が彼女にかける言葉や、光のない瞳を向けられることが増えると、「こいつも…か」と自分で納得するようになった。





銀時「布団引っつけるか?」



A「うん…ありがとう」



銀時「へいへい」





サッと布団が隙間なく並べられ、再度眠りにつこうとした銀時だったが、

引っつけても尚、隣でゴロゴロと寝返りを打つ彼女が気になって仕方なかった。





銀時「A」





向けられた背中に向かって名を呼べば、ビクリと揺れた肩。

なんでびびンだよ…とため息を吐くと、ごめん、と謝る声が聞こえた。






A「寝れんくて…」





振り返った彼女は申し訳なさそうにシュンとし、鼻まで布団を引き上げる。






銀時「…………」






本当は、彼女の言いたいことは分かってる。


布団が隣なだけじゃほとんどさっきと変わらない。



ただ、自分から言うのも癪であるし、なぜこんな時に強がるんだと銀時は思った。






銀時「はァ…あー…なんか布団中々あったまらねぇ」



A「……?」




銀時「入れよ、お前子供体温だし」







思春期入りかけの銀時にはこれが精一杯だった。

嬉しそうな顔をした目の前の彼女を見て、なんだか恥ずかしくなり顔を赤くした。





A「銀ちゃんかて子供やん」



銀時「うるせ」

(2)→←設定



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (32 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 攘夷浪士 , 紅一点
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:わらび | 作成日時:2021年9月2日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。