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銀時の手によって抑えられた桂の口元。
だがそれは一足遅く、Aは目を見開き高杉の袖を軽く引っ張った。
「.....どういうこと、?」
「遊郭で...その...色々してたんとちゃうん?」
攘夷浪士の中では最年少であるAだが、そうは言ってももう遊郭がどういう所なのかはそれなりに理解している年頃である。
はぁ...とため息をはいた高杉が少し雑にAの頭を撫でる。
高杉「そういうことだ、」
「いやいや...分からへんわ」
「濁すんやめてやぁ....」
袖をつかみ上目遣いで高杉を見つめるAに、彼はさっと視線を外す。
すると、Aの肩に顎を乗せていた坂本が代弁するように言った。
坂本「要するにわしらは遊郭行って綺麗なおなごにお酌してもらってるだけじゃき」
坂本「あそこの酒は美味くてなぁ〜今度Aもどうじゃ!」
桂「何を言っておる、Aは酒にめっぽう弱い」
桂「今まで行かせなかった理由の1つがそれだろ」
あまりにも想像していなかった4人の遊郭事情にAは驚きの表情が隠せなかった。
あくまでも彼らは男だ。
それに、異性と何がしたいだのどうしたいだのと色々思う年頃なのに変わりない。
「ほな...4人はお酌してもらってるだけなん?」
坂本「まぁそうじゃな〜金時は騒ぎよるし、ズラは娘っ子に目もくれん、高杉に関しては1人で飲み出す始末や、」
坂本「店のブラックリストに載ったこともあったの〜あはっあははははっ」
「...そ、そうなんや」
一体あんたら何をしに遊郭に行ってるんや。女の人達が可哀想やろ...。
終いにはA自身が遊郭で働く女の人に同情する始末。
そんな彼女の思ったことを読み取ったのか、また偶然なのかは分からないが桂が口を開いた。
桂「天人の動きや敵の本拠地の情報交換などがそこで行われている」
桂「まぁ...外見上、遊郭に来た男に見えるが裏では情報交換が行われているのは稀ではない」
桂「最近、よく出向いていたのは情報のやり取りのためだ」
「.......」
まさか、遊郭でそんな事が行われていたとは初めて聞いた。
そう思うと同時に、Aの心の中に罪悪感のようなものと勘違いしていた恥ずかしさが生まれ始める。
要は遊びに行っていた訳ではない、戦のためのやり取りが行われていたのだ。
「.......ごめん、」
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わらび(プロフ) - 紅さん» えっ嬉しい、、(笑)ありがとうございます!!! (2021年4月15日 21時) (レス) id: aef1a9d7b9 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - 黒髪パッツァンで笑いましたwww応援してます! (2021年4月5日 12時) (レス) id: b08ab2dbca (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - ゆなさん» こちらこそいつも見てもらってありがとうございます!嬉しいです!! (2021年1月9日 6時) (レス) id: 68f1c230ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新ありがとうございます!まじで、これが生きがいになってます。 (2021年1月7日 22時) (レス) id: 355f85c916 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - くりーむ。さん» いいですよね!作者も大好きです!ありがとうございます〜! (2021年1月4日 7時) (レス) id: 68f1c230ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらび | 作成日時:2020年6月1日 19時