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noside
『は.....ぐああっっ!!』
勢いよく男の背後から振りかざされた刀。
それと同時に飛び散る血。
りん「あっ...っあ、」
どサリと目の前に倒れ込んだ男は力なく血を流して動かない。
りんは腰を抜かし、男を切った目の前の人物を見上げ、驚いた。
「りんちゃん、男見る目ないんやなぁ」
りん「.......っっ、」
「あははっ、なんで怖がってん、助けてあげたのに」
数時間ほど前に出ていったはずの彼女がそこに立っていた。
出ていった時とは異なる楽しそうな表情に思わずひぃっと怖気付くりん。
「あー、ちょっと衝撃強かった?これ」
「ごめんな、でもこうせな自分死んどったで」
倒れ込んだ男の体を一瞥したあと、ゆっくりと彼女の瞳がりんを捕える。
「分かったやろ、これが戦の世界やで」
りん「っ...あっ...」
「別にな、あんたのことこのアホ共取られるからとか、敵やからってあんな態度取ってたんちゃうねん」
「あまりにも戦場知りませんみたいな顔して来よったからこんな汚い世界見せる前に元いた場所返したろ思っててんよ」
りんの乱れた胸元を直しながらAは続けた。
「まぁでも思ってたより頭は回るし、剣術もそこそこやし、何よりあんたにしか分からん苦労があったらしいしな」
淡々と話をすすめるAに、未だ状況を掴めていない銀時達はただただ唖然としていた。
帰ってこないかもしれないと思っていた彼女が目の前にいるという安堵、それと共に彼女から奮い立つ殺気に少し怯えた。
「あんたの苦労も知らんとひどいこと言うてもうたんごめんな」
りん「.....っ、」
「え...ちょ、泣く?!いや悪かったって!!河内!!どうにかせぇ!!」
河内「え、私ですか?!?!」
『銀時さん!失礼しますね』
銀時「え、あ、おお...すまねぇな」
『いえ、詳しい話はAさん本人から聞いてください現時点では周りに敵はいません』
銀時「おう、」
銀時たちの拘束を解いたのはAの部下達だった。
真新しい傷のついた部下達の顔に、彼女が隊を動かしハメられた自分たちを助けにきたことをここでようやく理解した。
「なぁ〜りんちゃん泣かんでくれ...チッ...めんどいなぁ」
河内「Aさん謝る気ありませんよね」
銀時「.....A」
無意識に、銀時は彼女の名を呼んでいた。
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わらび(プロフ) - 紅さん» えっ嬉しい、、(笑)ありがとうございます!!! (2021年4月15日 21時) (レス) id: aef1a9d7b9 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - 黒髪パッツァンで笑いましたwww応援してます! (2021年4月5日 12時) (レス) id: b08ab2dbca (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - ゆなさん» こちらこそいつも見てもらってありがとうございます!嬉しいです!! (2021年1月9日 6時) (レス) id: 68f1c230ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新ありがとうございます!まじで、これが生きがいになってます。 (2021年1月7日 22時) (レス) id: 355f85c916 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - くりーむ。さん» いいですよね!作者も大好きです!ありがとうございます〜! (2021年1月4日 7時) (レス) id: 68f1c230ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらび | 作成日時:2020年6月1日 19時