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向井side



無心でシャッターを切り続けた。
ラウはノリノリでポーズ決めてくれるし、めめは素材が抜群に良いから顔の角度や体勢を少し変えるだけでめっちゃ様になった。


向「もう自然光では顔ぼやけ始めてるわ...。次で最後にしよか!」




最後に撮った俺の写真は、下から撮って二人の姿を黒い影にすることで、影絵と写真の融合のような仕上がりにした。
スマホで時間を確認すると、18時になろうとしていた。


向「ありがとう、めっちゃ楽しかったわ!」

ラ「僕も撮ってもらうの楽しかった!帰ったら現像とかするの?」

向「そやな、現像しても良いしスマホに移しても良いし!」

ラ「え、じゃあそれ送ってよ!」

向「ええよ、帰ったらすぐパソコンと繋ぐわな!」


ラウと話しながらカメラをいじって今日撮った写真を見返していく。



....うん、どれもよぉ撮れてるわ。
今まで風景画ばっかやったけど、人撮るんも楽しいなぁ。




目「帰るか」

向「そやね。二人ともほんまありがとう!」

ラ「現像したかったらうちにカメラ持ってきてくれたら無料でやってあげるよ」

向「タダで?」

ラ「友達割だよ、どうする?いらない?」

向「いる。」

目「康二、関西人出てる」



やっぱり三人は楽しいなぁ。
もちろんふっかさんたちと9人でいるのも楽しいで?

けど同い年で同じクラスの友達、その上俺はよそもんやから、受け入れてくれるんが嬉しいんよな。


前に阿部ちゃんに聞いたんやけど、
ここらへんの地域には小学校も中学校も1校しかないらしくて、ずっと前から俺以外の8人は一緒やったらしくて。

8人で出来上がってた空気感に俺が緊張せん温かさで包み込んでくれるみんなには感謝しかあらへん。




いつか何かの形で恩返し、したいなぁ。



ふっかさんとかしょっぴーあたりは照れて拒否しそうやけど笑







向「めめ、ラウ!」


俺が呼びかけると二人は歩みを止めて振り返る。






向「めっちゃ好きやで!!」





なんか気持ち伝えたなるときってあるやんな?
それが今やわ!!


なんかほら、「好き」っていろんな種類があるけどさ。
この町で過ごしてたらたくさんの「好き」が溢れ出す感覚なんよ。

それがどの種類の「好き」かとかそういう難しいことは考えずに、
ただただ「好き」やなぁ、って!



元気よく「僕もー!」と答えてくれるラウと
「なに急に笑」って片手で口元を抑えるめめ見て



えぇ町やなあぁ。


って漠然に思った。

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作者名:キキ | 作成日時:2020年8月30日 2時

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