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岩本side



阿「よし、頑張ろうか!」

岩「阿部、あっちの席の片づけ頼む」

阿「はーいっ」



阿部も俺も、随分食堂のフロアが板についてるんじゃないだろうか。

正社員でもバイトでもないけど、働いてる自覚はしっかりある。
思えば深澤食堂にお世話になり始めたのは言葉の理解がはっきりしだす幼稚園の頃からだった。




小さい頃から父さんの職場見学や作業の手伝いをさせてもらってた俺は
父さんの仕事終わりに食堂に連れられることが多かった。

はじめて行ったとき、おばちゃん....ふっかの母ちゃんに

「うちにも照くんと同じくらいの男の子がいるのよ、仲良くしてあげてね」

って言われた。
でもその子が人見知りして、その日は会えなかった。



その日は確か食堂に行く4回目の時だったような気がする。
父さんの仕事が長引いて、食堂が閉まるギリギリの時間に食べに行った。
閉店時間はお客さんも少なくて、
その日は俺ら以外のお客さんはいなかった。



入り口に一番近い席に、細身の男の子が座っていただけで。




岩「....あ」

深「っえ、と....いらっしゃい、ませ」


そのあとは確か親同士が喋ってて、
おばちゃんの紹介でその男の子がおばちゃん家の子で、
辰哉という名前で、俺より一つ年上だと知った。

同じ机に向かい合って座って、
当時何を話したかほとんど覚えてないけど
ただ一つだけ。




深「....じゃぁ、照は俺の弟だね」


と、照れくさそうに笑ったふっかの顔だけは今でも鮮明に覚えている。







阿「照?手止まってるけど大丈夫?」

岩「っあ、ごめん。昔のこと思い出してた」

阿「あぁ....」



時計を見ると1時を指していた。




岩「ピークもあと1時間か、頑張らなきゃな」

目「照くん、俺も手伝うよ」


ぼーっとしていた目黒が声をかけてくれた。

岩「あー、じゃあ表は阿部となんとかなりそうだし、裏で食器洗ってもらえる?」

目「わかった」



厨房に入っていく目黒を見送る。

いつだったか接客をする目黒がかっこよくて、
ここらへんの女子たちがこぞってやって来ててんやわんやになったことがあった。




この食堂には思い出が詰まっている。

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作者名:キキ | 作成日時:2020年8月30日 2時

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