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「なぁ、もうそこまでにしなよ。
あと、明日にしたらどう？」
送るって言われてからまだ10分も経ってないのに
目の前からは、もう帰ろうよの声
明日はまた別の打ち合わせあるしな…
「私、電車で帰れますし、本当に大丈夫ですよ？
帰るの遅くなっちゃいますし、先にあがってください。」
ぐだっと机に伸びてる姿が、隙間から見えて
綺麗に染められてるふわふわな髪
横顔がものすごく綺麗
シャツに触れる襟足
綺麗な指
すきだな…。
すき？
スキ？？
好き？？？
いやいや、そういうんじゃなくて
そういうんじゃない
そうだよ、そういう男の人の姿がすきってこと
うん、そう。そうだよ。
って、何を私は一人で焦ってるんだろう…(笑)
なんでもない
なんでもないぞ
仕事いよう…仕事！！
「なぁ、お腹空かないの？」
「空きますよ(笑)
北山さんは、帰ったら美味しいご飯とか待ってるんですか？」
返事にドキドキするくせに、聞いてしまう。
「ない。冷たいご飯しかない。
いっつもコンビニばっかり。」
意外
一人暮らしなんだ。
でも、異動して来たばっかりだもんね。
彼女や家族がいたとしても
急に来るなんて難しいもんね。
「なぁ？もう明日にしよう？
それも。ね？ね？？」
こっちに顔だけ向けて、にこって。
だめだめ。やらなきゃ。
けど…
ある程度やったしな…いいかな
でも、だめだ。
「もう少しで終わるので、これだけはやります！！
あと本当に１０分くらいなので。
ほんと、先にいいですよ？」
ちらっと腕時計を見て、何かを考えてるみたい
よしっ！って小さな声が聞こえたと思ったら
立ち上がってジャケットを着始めた
帰る準備かな？
帰っちゃうのか…
って気持ちがゼロじゃない自分にちょっと違和感。
先にどうぞって言ったのは
私なのにね。
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作者名：ゆゆ＊ | 作成日時：2017年9月6日 12時
