sunny days and rainy days -Ki- (ページ46)

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「なんでいるの。」

「なんでじゃない。

なんで、携帯電源切ってるの。」

外に出たら、目の前に見慣れた車。

「帰っていいよ。」

「帰るよ。」

ここは、会社の前。

人の通りも、車の通りも多い。

ここで、揉めてたら

きっと明日の朝には社内でまた…

心がぐちゃぐちゃでも

割と冷静に物事を考えてる自分の頭びっくり。

でも、自然と向く足は車とは90度違う方向で

でも、その前に立ちはだかる壁もあって。

「言い訳はしない。

けど、訂正はさせてほしい。」

「何もなかったっていうんでしょ？

何もないって言いたいんでしょ？

何もないから、信じろって言いたいんでしょ？

もういいの。

悪くないって、わかってる。

わかってるから。大丈夫だから。」

ただ、自分の黒い心が邪魔をしているだけなのに

ただ、自分のぐちゃぐちゃな心が取り乱してるだけなのに

なぜ、目の前の人をちゃんと見れないのか

見ると、一緒に思い出す

「北山先輩！！」って呼ぶ声。

嫉妬するなんて、嫌だ

意識するなんて、嫌だ

でも、どうして。

どうしてなの。

誰も悪くない

彼も悪くない

彼女だって、悪くない

なのに、どうして…

「ちょっと、一人になりたい。」

「だめ。させない。」

「どうして。」

「一人にしても、いいことなんか絶対ない。」

彼は、私自身よりも私のことを知っているんだ

「とりあえず、乗って。」

ちょっと強引に手首を引っ張るから

赤く、熱くなったけど

今は、その痛みすら心地よい。