友と、かるたと、青春と。 (ページ31)

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見てろよ。決勝戦！！ページ31

平side

ハックション！！と5人は盛大なくしゃみをした。

「誰か、俺らの噂話してへん？」

「そりゃするだろ。決勝に出るチームなんだから！！」と岸くんは自信満々だ。

「「よーし！行くぞー！キンプリファイターズ！GO！GO！GO！」」

決勝戦。「よろしくお願いします。」チーム同士お互いに礼をした。相手は前回の優勝者、なにわ学園チーム。

「紫耀くん、俺負けませんから。ドSで行かせていただきます！」みっちーは、真剣な眼差しを紫耀に向けた。

「ドSって何？俺はドNなんだけど。」紫耀は首を傾げた。紫耀の言うNはノーマルのNらしいが…。

「廉。お久しぶりやな！お手柔らかにお願いするわ！」

「大吾。それは無理。俺は本気でいくから！」

岸くんの対戦相手は、大橋くん。リーダー対決だ。

ジンの対戦相手は、大吾の次に強い大西くん。

海人の対戦相手は、なにわ男子チームの末っ子長尾くんだ。

「では、札を並べて下さい。」という声で、みんなが札を並べていく。

紫耀は相手の並べ方を見て、驚愕した。

(な…何だよ、その配置！？)

相手のみっちーは、玄樹の得意札である「せをはやみ」を自陣の真ん中に置いた。

紫耀の大切な札を知っての攪乱…自分の定位置を崩してくるなんて余程の自信家だ…！

始まってすぐに、大吾の掛け声と共になにわチームは声を上げた。「なにわ魂、見せたろーや！！オー！！」

「キ」

「ン」

「プ」

「リ」

「ファイトォォ〜！！！」

4人の後に岸くんが大声で叫び、キンプリチームも気合いを入れた。向かいの大橋くんが「岸くんってそんな熱いキャラやったっけ？」と笑ったが、岸くんの目が本気だったので、笑うのをやめた。

いまをはるべとさくやこのはなー…

「あれぇ？ひとり先生！キンプリってさっき、かけ声なんてしてなかったですよね？」

「さっき、考えたんじゃない？」

ザキヤマ先生とひとり先生は、試合を見ながら、ヒソヒソと話していた。

(この"せをはやみ"に惑わされるな、俺。いつもの攻めのかるたをするだけだ…！)

紫耀は、変な位置に置かれた"せをはやみ"を鋭い眼差しで見つめた。

たちわかれー…

「…っ！！」

バシッ…と紫耀は敵陣を攻めたが、相手のみっちーに札を取られてしまった。

「取ったで！！」と大吾が叫ぶ。「こっちも取った〜！」と大橋くん。「僕も！謙杜は？」と大西くんが聞くと「もちろん取りました！」と長尾くんの明るい声が会場に響いた。