余裕なさげに * ページ20
【ウジside】
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「ていうか、なんでジフナがそんなこと言うのよ!あんた、私のこと好きなんじゃないの?!」
あーAって馬鹿だな。
自分で言ったくせに、顔を真っ赤にしてる。
スンチョリヒョンのことだって、もっと器用に立ち回ればその目がAに向くことだってあるかもしれないのに。
なんで真っ向勝負をふっかけてしまうのか。
「本当、馬鹿だな」
だけど、それがAの良いところだとも思う。
その方が俺も安心だし。
Aは昔から変わらない。
だけど、少しだけ変わったことがある。
俺の気持ちを知っていること。
知ってくれているだけで、意識してくれているだけで、嬉しい、と心が悲鳴をあげる。
単純だな、と思いながらも上がった口角を下ろすことはできない。
勢いよく手首を動かして、顔の熱を冷ましているAを見つめた。
「A」
「ん、なに」
Aはこちらを見ずに、手首を動かしながら答える。
「好きだよ」
あ、やっとこっちを見た。
見る見るうちに、更に赤くなるAは余裕なさげに口をパクパクとさせる。
そのままよく分からないことをまくし立てて、逃げるように帰っていくAの姿を椅子に座ったまま見送った。
静寂が訪れた部屋に、自分の心臓の音が響く。
「はぁ…」
あの日、想いを伝えた日。
言えなかった言葉。
Aの発言に力を少し借りてしまったけれど、やっと言えた。
ああ、心臓の音がうるさい。
余裕がないのは、俺も同じだ。
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sani(プロフ) - ミヌさん» わあ、ありがとうございます( ; ; )嬉しいです!読んでくださり、ありがとうございました!! (2021年4月9日 6時) (レス) id: a75bf160ab (このIDを非表示/違反報告)
ミヌ(プロフ) - 感動しましたTT大好きです。 (2021年4月9日 4時) (レス) id: 8612cef835 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - まろにゅきさん» うわぁ〜なんて嬉しいお言葉!!ありがとうございます( ; ; )とっても嬉しいです!ああすれば良かったこうすれば良かった、と今になって思ったりもしますが、そう言っていただけて本当に良かったです(*^^*) (2020年6月25日 0時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
まろにゅき(プロフ) - saniさんの小説はスッと入り込めて読みやすくて、綴られる言葉もすごく好きです(^^)私はスンチョルもウジくんも好きだからこのお話、ドキドキしました! (2020年6月24日 18時) (携帯から) (レス) id: 36bf00294b (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - ゆずさん» こコメントありがとうございます!文庫本無限とは!このお話は私なりに書くの楽しかったので、すごく嬉しいです(*^^*) (2018年9月30日 7時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sani | 作成日時:2018年6月22日 19時