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あの葛葉さんがそんな事を言うから叶さんは怒ってる様な悲しんでる様な複雑な表情をしている。

叶「なんで……葛葉が一番彼女の事大切にしてたじゃん!!

それなのに、なんで………!?なんでなんだよ………!!」

叶さんはそう言いながら葛葉さんの胸ぐらを掴んだ。
けれど、葛葉さんは表情を変えずに真っ直ぐと叶さんを見据えている。

葛「…………気付いたんだよ、このままでずっと居ても、Aの幸せにならないって

だから、他の島に預けて自分なりの幸せの道を探させた方がいいって」

叶「でも、もし、それでAちゃんがタヒったら?」

葛「………それも、コイツの運命だったってだけだろ?」

葛葉さんは表情ひとつ動かさずそう言うと叶さんは顔を赤くして掴んでいた腕を振りかぶった。

『叶さん!!やめてください!!』

私は見ていられず叶さんに抱きつくと動きを止めた。
そして、私の方をゆっくりと振り向くと目に涙を溜めていた。

叶「…………僕は、ただ…君を……っ」

そう言うと叶さんは私を振りほどいて部屋を出ていってしまった。
私は振りほどかれてふらついてしまい、倒れそうになったが甲斐田さんが支えてくれた。

甲「わわっ、大丈夫ですか!?」

『甲斐田さん…ありがとうございます』

お礼を言いつつ叶さんが出ていった扉を見つめていると葛葉さんがこちらに歩み寄ってきて私の頭をとても優しく撫でてくれた。

葛「ごめんな、あいつの事は大丈夫だから…お前はここを出ていく準備でもしろよ」

そう言う葛葉さんの表情は悲しくも嬉しそうな表情をしていた。

葛「まぁ、ここにはいつでも帰ってきていいからよ。

………ここは、もうお前の家なんだからさ」

『葛葉さん……はいっ、また必ず帰ってきます』

私が葛葉さんの方に手を伸ばすとその手を葛葉さんが取って引き寄せられて強く、強く抱きしめられて。

葛「………………甲斐田、こいつを……頼んだ」

甲「………はい、必ず守ります」

そうして、私は葛葉さんと叶さんの手から離れて新たに生活を始める事になった。

第七話【桜魔の国】→←▽



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作品ジャンル:恋愛
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雪鈴(プロフ) - 咲さん» ありがとうございます!!裏の方では俺って言って欲しいなって欲望が出てしまった…直しておきます! (2021年7月21日 21時) (レス) id: de383840ec (このIDを非表示/違反報告)
- 設定がとても面白くて,一気に読んでしまいました!素敵な作品をありがとう御座います!後,細かくて失礼なのですが,甲斐田さんと弦月さんは一人称僕ですよ,,,! (2021年7月21日 15時) (レス) id: 7988901400 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪鈴 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinok/  
作成日時:2021年2月2日 12時

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