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その日も私が外で夜空を眺めていると暗い夜道から"コツコツ"と足音が聞こえてきた
振り返ると血がべっとりと付いた服を纏ったスレンダーな男性が歩いていた、それが須永さんだった
『うわっ、大丈夫ですか?』
私がそう問いかけると少しフラフラとした足取りで私の元へと来た
須永「すまねぇなお嬢さん…少し休ませてくれねぇか?」
そう言う須永さんの腕には痛々しい大きな傷があった
その傷からは止めどなく血が溢れていた
『構いませんよ!それとちょっと待ってて下さい』
そうして、須永さんを私が座っていた長椅子に座らせると店の調理場へ向かい治療道具を持って須永さんの所へと戻った
『えっと、取り敢えず消毒しますね』
傷がある部分をまずは消毒し、その後に軟膏を塗りラップをして包帯で巻いた
須永「……随分と手際がいいな」
『大きな怪我を昔、よくしてたので…自然と身につきました』
その後少し無言になり、傷の治療が終わると須永さんが口を開いた
須永「俺の名前は須永…お前、良い女だなぁ」
『良い女かはわかりませんけど…ありがとうございます』
須永「良い女だよ、知らねぇ怪我を負った男をこうやって手当してくれるんだからなぁ…度胸も座ってやがるみてぇだしなぁ」
『そうですか?…私は、怪我をしてる人を見過ごせないだけのお節介焼きですよ』
須永「んな事ねぇさ…自信持てよ」
それから、満月の日になると須永さんは現れるようになった
それと同時に口説きに来るからある意味厄介だ(照れるという意味で)
須永「そう言えば、最近お前…天羽組に出入りしてるだろ」
『…え、なんで知ってるんです?』
須永さんにあったのは先月の満月の日以来会っていない…なんで知ってんの?
須永「あぁ…そういやぁ言ってなかったな
俺はぁこれでも天羽組の構成員なんだぜ」
『……マジっすか』
以前から知り合いの須永さんさんまでもがまさかのヤクザさんだとは…え?もしかして知らないだけで私もっとヤクザの人の知り合ってるのか?
須永「……無自覚って怖ぇよなぁ」
『……本当に、怖いですわ』
でも、今まで会ったどの人も優しいし、少し変わってると思うけどそこら辺の人とあまり大差はない
ただ一つ違うとするなら"裏の人間"ってだけだ
『(たったそれだけなんだよな……)』
たったそれだけの理由で表からは切り離される
悲しいよね、本当にさ
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ゆう - はい大丈夫です。楽しみにしてます。 (2022年12月14日 16時) (レス) @page2 id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
雪鈴(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます(_ _)相良の兄貴ですね、他にもリクエストがありますので後々になってしまいますがよろしいでしょうか? (2022年11月30日 20時) (レス) id: 5206622557 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - この夢小説を読んでいると楽しいです。リクエストで相良さんを出してください! (2022年11月30日 16時) (レス) @page41 id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
雪鈴(プロフ) - サクラさん» 名前変更ですか……最初は考えたんですがどうしても文字数を取ってしまうので断念してしまったんですよね…申し訳ないです (2022年8月2日 15時) (レス) id: 5206622557 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 名前変換はできないんですか?とても面白いお話なのでできれば変換して読みたいです。。 (2022年8月2日 15時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪鈴 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinok/
作成日時:2022年6月26日 11時