すにすなの二次創作場所。【2】

男主×千鶴【はくおうき】※マフィアパロ ページ9

最近気になっていることがある。
どれくらい気になっているかというと、そのことが気になり過ぎて某日曜夕方の魚介類系家族のアニメでやるじゃんけんに13連敗(の内6回は録画のやつ)してるくらい気になっている。

それは我が幼馴染にして片思いの相手、雪村千鶴の様子がおかしいことだ。


高校を卒業してからというもの、なぜかすぐに綱道さんの元を離れて、どこか別の場所に引っ越してしまった。
やることがあるとだけ俺たちに話し、どこで働いているのか、暮らしているのかは一ミリも話そうとしない。
あの千鶴のことだ、自分は何もしていなくても優しさにつけこまれて変なことされてるかもしれない。
大切な千鶴が何か酷い目に合っていあたら、そう思うと心配で心配でしょうがないのだ。

(千鶴は今、どこで何をしてるんだろ…？)


そんなことを考えて物思いにふけっていると、ポケットに入れてるスマホが小刻みに振動した。
画面を開くと、そこには嫌な上司の名前が出ていて、思わずため息をはく。
このまま無視したい気持ちを必死にこらえて、俺は電話に出た。


「出るのが遅い。何をしていた？」

「すいません。ちょっと色々とあって」

「…まぁいい。お前に任せたいことがある。書類を渡すから確認しろ」

「分かりました、お任せください」

そう言って電話を切った途端、家のインターホンが鳴る。
まさかここで待機してたのか？
少しゾっとしながら、さっきの上司の秘書から書類を受け取った。


「これは重要な任務です。完璧にこなすように」

「は〜い、分かってますよ」

秘書の男は眉間にしわをよせ、少し苛立たしそうに去って行く。

(俺に優しくしてくれるのは千鶴だけだよ…)

そう思いながら茶封筒から書類を取り出した。
書類に目を通した瞬間、衝撃から俺は目を見開いた。

書類の内容は、とある女の偵察だった。
その女の生活をくまなく調べ、報告しろとのことだ。
準備ができ次第、我が組に引き入れる算段らしい。
女の名前はーーー雪村千鶴、近藤組のメンバー。

かの有名な近藤組になぜ千鶴がいるのか。
そしてなぜそれを俺の上司、風間千景が知っているのか。
疑問と驚きで意識が遠のきそうだった。

でもそれ以上に、俺は歓喜に震えていた。
この任務をこなせば、近藤組のクソ共を蹴散らして、千鶴を俺のそばに戻すことが出来るかもしれないのだ。

(ちょっとだけ待ってろよ…俺の千鶴)

俺はあの天使の微笑みを思い出し、ニヤリと口角を上げた。

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