すにすなの二次創作場所。【2】

光実×夢主【鎧武】友人ちゃんへのお返しリク小説 ページ8

放課後の空き教室で、一人ため息をつく。
今日は折角の金曜日。
部活もないため、さっさと帰宅しようとしてたところを運悪く担任に捕まってしまった。
そのせいで、クラスメイトの呉島と明日配られる書類の準備をしている最中である。

「そういや…呉島とあんま話したことなかったよね。普段何してるの？」

「別に、特に対したことはしてないよ」

流れていく沈黙に耐え切れず、勇気を出して話しかけてみるもスパッと切られてしまった。
クールな優等生で有名な呉島に、和気あいあいとしたお喋りは難しいのかもしれない。
しかし、このまま無言で書類をホッチキスで止め続けるのは、私の方が難しいーーーというかできない。

(この際、嫌われてもいいからとことん話しかけてみよう！)

そう思い、閉じかけていた口をもう一度開きはじめた。


「ふぅん。あ、じゃあ最近ハマってることは？」

「……特にない」

一瞬何か言いたそうな目をしていたが、すぐ普段の冷たい目に戻っていく。
ハマってることすら話せないなんて大変だなぁ、と同情しながら私は話をつづけた。

「そっかぁ。私は最近ダンスにハマってるんだよね〜！呉島はよく分からないかもだけど」

「ああ、わからない」

思った通りの返答に、私はだよね〜と苦笑を浮かべながら相槌を打つ。

「…けど、友人達はよくやってる」

「へぇ〜！系統は？」

ようやくしっかりした返答をくれたことに、私は心の中でガッツポーズをしながら話をつづけた。

「ストリートダンス」

「格好いいよね〜ストリート！！あの呉島がダンスの系統を覚えてるってことは……それくらい色んな人の記憶に焼き付けるダンスをする人達なんだろうね」

そう話した途端、冷たくて硬かった呉島の表情が少し優しく、柔らかくなった気がした。

「うん。輝いてて、見てる側も…すごく心が躍るんだ」

そんな呉島を見て、私の脳内には一つの案が思い浮かんだ。

「じゃあさじゃあさ！今度一緒にその人たちのダンス観に行こうよ！」

「それは無理」


浮かんだ案はまたしてもスパッと断られ、え〜と不満を口にこぼす。
けどそんな私を見る視線や雰囲気は、さっきよりも大分とっつきやすいものになっていて。

(きっと本当の呉島はクールな優等生じゃなくて、どこにでもいる男子高校生なんだろうな)

先程は断られてしまったが、いつか本当の呉島と、さっきの人達のダンスを見に行けたら。
そう思い描きながら、私は最後の書類をホッチキスでまとめた。

男主×千鶴【はくおうき】※マフィアパロ→←続き

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