キューン×祢音【ギーツ】 ページ1
「ーーーで、今からやるバレンタインの企画についてだけど」
そう言ってペラペラと話し出すプロデューサーに、私は思わずため息をこぼした。
目の前で動画のことについてペラペラと話すプロデューサーは、DGP時代私のサポーターでもあった未来人のキューン。
今の私の想い人でもある。
「……なんでこんな人好きになっちゃったかなぁ」
「おい、聞いてるのか?祢音」
「聞いてます〜!それで、続きは?」
少しにらみながら聞いてくるその態度に、私は思わずムっとしながら返事をする。
そんな私を見て、続けるぞ、とキューンは動画についての話を再開した。
「っていうのは祢音にもあってるからそのモチーフを活かして、けど曲の世界観を崩さずに踊って欲しい。分かったか?」
「は〜い」
「おい、さっきから話を聞いているのか?」
「だから聞いてるって」
「なら構わないが。ちゃんと真面目にやってくれ」
そんなの自分だってわかってるし、そのつもりだ。
配信で手を抜いたことなんか一度もない。
今自分が不機嫌になったってどうしようもないことだってわかっている。
「よし、じゃあ配信を始める。いいか?」
私の相槌とともに配信はスタートし、いつもの明るい笑顔でピカリ!とお決まりの言葉を口にした。
「配信終了。お疲れさま、祢音。いい配信だった」
「…うん、ありがとう」
私は少し素っ気ない返事をすると、キューンは怪訝そうな表情を浮かべた。
「さっきから何でそんなに不機嫌なんだ」
「別に?……今日、バレンタインなの分かってる?」
「ああ、今バレンタイン配信が終わったばっかだろう」
「だからそうじゃなくて……ああ、もう!」
全く気が付かない鈍感っぷりに私は遂に痺れを切らした。
カバンの中から小さい紙袋を手に持ち、キューンの方へ向ける。
「これ、チョコレート。頑張って作ったんだから、大切に食べてよね」
そう言いながら渡すものの、キューンは全く微動だにしない。
それが何だか落ち着かなくて、キューンの腕を掴み無理やり紙袋を持たせた。
「……これチョコレートか?」
「そうだけど?折角作って来たのに、キューンってば配信のことばっかりで、」
「……ありがとう。大切に食べる」
そう言いながら頬を染めて、嬉しそうに笑うキューンの表情を見ると、さっきのイライラがたちまち消えていく。
自分の単純さが恥ずかしかったけど、それ以上に好きな人が喜んでくれたことの嬉しさで胸がいっぱいになった。
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すにすな(プロフ) - るしゐ@さくらぁさん» そう言ってくれてめちゃめちゃに嬉しい…!!ぜひまたリクしてね〜💞 (4月8日 15時) (レス) @page8 id: b675f659fc (このIDを非表示/違反報告)
るしゐ@さくらぁ - わ〜!書いてくれてありがとう!!めちゃめちゃ刺さった…!またリクさせてね💞 (4月8日 15時) (レス) @page8 id: 73133c1157 (このIDを非表示/違反報告)
すにすな@さくらぁ(プロフ) - 芹名はる@さくらぁさん» 俺三原里奈、個人的にとても思い入れのあるお話なのでそう言って下さってとても嬉しいです〜!!自分はこういうのが好きなんだーい!!の感情で日々創作をしてるので、そのうちの一つがはるさんに刺さってくれたことに感激感謝です✨✨ (3月20日 17時) (レス) id: 6eb52e408b (このIDを非表示/違反報告)
芹名はる@さくらぁ(プロフ) - コメ失礼します、こちらの作品とっても好きです……! 特に(今更なんですが)第1弾にあった俺・三原・里奈ちゃんのお話がすごく刺さって、わ〜〜こういうのいいな……!!ってなりました。これからも楽しみにしています✨ (3月20日 16時) (レス) id: 8e5444889e (このIDを非表示/違反報告)
すにすな@さくらぁ(プロフ) - 塩みるくさん» コメありがとうございます!そう仰って頂けるととても励みになります♪コメ主さんの作品、影で拝見していたので1ヒロイン大好き人間としてヒロイン夢界隈の星である主さんからコメ下さってとても嬉しいです!よければこれからもたまーに覗いてやって下さい。 (2月26日 23時) (レス) id: 6eb52e408b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すにすな@さくらぁ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ruriruhomupe1/
作成日時:2024年2月18日 21時