15話 ページ16
今日も文化祭に向けての準備を進めていた。
まだ途中の看板づくりの続きに私達も取り掛かる。
最初の方は慣れない作業が続き、自分の仕事をやるのにみんな精いっぱいだった。
今は作業にも慣れて、無駄話しながら手を動かすくらいの余裕はできた。
そのため、私達看板チームは恋バナでかなり盛り上がりを見せていた。
「え!蘭音ちゃんって三戸部と付き合ってるの?」
「実は夏休みから付き合い始めたんだよね」
「そうなんだ〜初めて知った!」
すごーい、おにあーいと言ってくれて、嬉しくなり頬も緩んでいく。
こういうシチュエーションに私はずっと憧れていたのだ。
「じゃあ文化祭、二人でキャンプファイアー見るんだ?」
「そういう予定は今のところないけど……なんで?」
「え、知らないの!?ジンクスだよ」
「うちの文化祭で、二人きりでキャンプファイアー見てキスした生徒同士は結ばれるっていう」
「ロマンチックだよね〜」
その言葉を聞いた瞬間、私の脳内は音也君とイチャイチャしながらキャンプファイアーを見る妄想で埋め尽くされた。
何だその超王道素敵ジンクス、やらないわけにはいかない。
「…私、絶対音也君と一緒にキャンプファイアー見る!」
思わずそう口走る私に、みんなはその意気だ!と優しく応援してくれた。
その言葉に釣られて、早速ラインを送る。
音也君!よければ文化祭のキャンプファイヤー、一緒に見ませんか?
すぐに既読がついて、返信が返ってきた。
「どうだった…?」
通知音が鳴ってすぐ聞かれた質問に、私は指で丸を作って答える。
その瞬間みんなが両手を掲げ、それに合わせて私も両手を掲げる。
私たちの周りは、手を勢いよく合わせる音で包まれていった。
「何ニヤニヤしてんだよ音也」
スマホを弄ってると、友人の一人が厄介そうに聞いてきた。
俺は別に〜とわざと曖昧な返事をする。
「あれだ!前話してた新しいオモチャっしょ?」
「ん〜まぁそんなとこかな」
他の友人からの質問にそう返答すると、さっきの友人は信じられないといった目でこっちを見た。
「え!?宮崎妹!?結構前からだよな、まだ遊んでんの?」
「といっても付き合ったのは最近だよ」
「こんな地味そうなナリして誰よりも手早い音也が!?珍しいこともあるモンだな」
「だって宮崎家のお姫様だよ?どうせなら沢山遊ばないと」
ま、いずれ捨てるけどね。
そう付け足すと、二人は心底愉快そうに蘭音への同情の言葉を並べた。
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すにすな@さくらぁ - *桜もち。さん» やっと更新したよ〜一応もう流れは最後まで決まってるから、更新停止にならないレベルでポツポツ更新していく予定✨ (9月25日 22時) (レス) id: 7e45e119a7 (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - 久々の更新だ〜〜〜!!!まじで楽しみにしてました!!!やっぱり好きだなあ………この小説…✨ (9月25日 17時) (レス) @page14 id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーJ♢桜もち。 - すにすなさん» しかも確か観覧車の中でだったよね?笑 弓弦お兄ちゃんスパイの才能あるのでは……… (2022年9月23日 16時) (レス) @page13 id: 5027370f8c (このIDを非表示/違反報告)
すにすな - カテゴリーJ♢桜もち。さん» ありがと〜!!!なんでお前見てるんだよって私も書きながら思った……笑 (2022年9月23日 16時) (レス) id: 3bd902a602 (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーJ♢桜もち。 - テスト期間お疲れ様〜!!更新楽しみにしてました!!!弓弦お兄ちゃん2人のキスまで見てたのか……すげぇ((ドキワクな展開だね〜💖 (2022年9月23日 14時) (レス) @page13 id: 5027370f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すにすな@さくらぁ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ruriruhomupe1/
作成日時:2022年7月29日 19時