壁 ページ34
2人を帰らせてから
俺も家を出て照史の家へ
インターホンを押すとすぐに開けてくれた
普段なら来客に構ってくれ!と走ってくる2匹は
ソファの下で丸くなっていて
俺を横目で見るだけ
紫「すまんかった」
橙「それは俺に言うセリフやないやろ?」
紫「そうやな…今日仕事は?」
橙「無くなってん。さ、座って」
飲み物なんでもええやろ?と用意しに行ってくれたから
ソファに座ると
グルルルと威嚇されてしまった
橙「ほーら!シー!ゴー!今から話すから!」
ぷいっと俺を無視して自分たちの家へ戻っていく
橙「まぁ見て分かると思うけど俺は淳太の味方やで」
紫「そりゃなぁ…」
橙「一番最初に聞いとくわ。お前淳太くんの事好きやったんやないんか?」
紫「好きやで。諦めるって言っておきながらだらだら引きずってこんな事になるぐらいには」
橙「ほんなら、なんで彼女おるねん」
紫「彼女?おらんで?」
橙「女物が家にあったからあれは彼女がおるって淳太くんが昨日話してた」
紫「え?あったっけ?」
橙「ほんまに居らんのやな?」
紫「え?ホンマにやで?」
橙「…嘘つけるタイプやないか」
何が原因でそんなふうに思われてしまったのか
あんまり理解出来てないけど
そんな風に思われていたのか…
紫「なら、彼女持ちで襲ってきた最低のやつやん。俺」
橙「せやろ。自分の立場わかった?」
紫「はぁ…酔ってたなんか言い訳では弱すぎるな」
橙「そうやねん。なんで昨日あんなことなってん」
紫「淳太のフェロモンに負けました」
橙「意味わからへん言い訳やなぁ…」
紫「ただ謝らないととは思ってるよ」
橙「謝って、もし許されへんかったら?」
紫「上辺だけのメンバーや」
橙「許してもらったら付き合うん?」
紫「どうやろ?」
橙「崇裕にとって、淳太くんとどうなるのが希望なん?付き合うとか、流星みたいに結婚するとか」
紫「どうなる…」
橙「中途半端やからフラフラしてるんやないん?」
紫「…」
橙「どうしたいのか、そのためにどうするのかちゃんと考えてみ」
照史いちばん長く俺のこの悩みを知っているからこそ
親身に聞いてくれるんやし
淳太が他の人に取られないようにしてくれているのも分かってる
感謝もしている
でも
紫「俺やっぱり中途半端やし、しっかりしてへんのがアカンのやろうな…」
橙「それで?」
紫「だから淳太は照史ばっかり頼るんかも」
橙「はぁ?」
紫「俺のが歳も近いし、サポートしてあげたいのにいっつも淳太は照史を選ぶやん」
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作者名:あい | 作成日時:2022年9月4日 21時