2人の接点 ページ6
意識をしてみればAの姿は、グリフィンドール寮のそばだけでなく、他の寮生の近くでも伺えた。
成績優秀で、スポーツ万能、容姿端麗。人々を惹きつける柔らかい優しさを纏った彼女は度々図書館でも様々な生徒に勉強の質問を受けては丁寧に答えていた。
「あいつ、ほんとお人好しだよな」
チラリ、と廊下で教科書を見せ合いながら立ち話をするレイブンクロー生とスリザリン生に悪態を吐きながらシリウスが眉を寄せた。
「ほんと、スニベルスにまであんな顔してさ」
それに同調するようにジェームズが苦い顔を見せる。
Aの前ではジェームズとシリウスはセブルスに手を出さない。一度、そうしたことがあったが、彼女によって呪いを打ち返され、また、さらに優秀な呪文で反撃され2日は医務室から出ることができなかったのだ。
「すまない、A」
「いいのよ、セブルス。代わりに、魔法薬学のP148について教えて欲しい箇所があるのよ」
「ぁあ、ならいい参考書を知ってる。この後何も無いなら＿＿僕、図書館に行くから紹介しようか」
「ちょうどよかった！私もこの後図書館に行きたかったところなのよ」
名前を気軽に呼び合う2人を見て、頭を鈍器で殴られたような気分になった。
クスクスと笑うAの大人っぽい笑み。
その笑顔を近くで見ることもなく、また、親しげに名前を呼んで、会話をすることもない自分とは雲泥の差。
勉強を教え合うという、2人の接点。
それが僕にもあればいいのに。
渦巻く黒い感情に、飲み込まれないようにそっと目を閉じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 306人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひまわり。(プロフ) - レティシアさん» ありがとうございます😌子世代編へと続いていくのでお時間あれば目を通していただけると嬉しいです(^^) (2022年1月27日 20時) (
レス) id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
レティシア - ……この作品、最高。これこそ私の探していた小説ｯ (2022年1月27日 19時) (レス) @page49 id: 04b1c05e16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひまわり。 | 作成日時：2021年4月14日 20時
