消えた姿 ページ50
「かぼちゃフィズ！」
授業が行われていた教室から出て、校長室の合言葉を告げるまで、マクゴナガル先生は一言も発さなかったし、彼女のただならぬ雰囲気からAも用件を尋ねることが出来ずに足早に進む彼女に黙って着いていくしかなかった。
校長室に入ったことは数回だけあったが、それはフリットウィック先生の用事だったり、監督生としての仕事があったり、とかで＿＿こんな形で呼び出されたのは初めてだった。
いつも柔らかい雰囲気でホグワーツ中の生徒を優しく包み込んでくれるダンブルドアが、決して穏やかではなさそうな表情でAを迎え入れた。
「すまないね、A＿＿心して聞いてほしい」
「今しがた、情報が入ったのじゃ＿_アーチー・グレイディとソフィア・グレイディが息を引き取った」
その一言が、Aの周りから全ての音を消し去った。
ダンブルドアやマクゴナガル先生もいるはずなのに、まるでたった1人だけの空間に立っている様な感覚だ。
「2人を襲ったのは、フェンリール・グレイバックとアントニン・ドロホフという詳細まではわかっておるが、まだ捕まっておらん＿＿アーチーとソフィアは�牋任寮�力�瓩硫弾�を断り、命を奪われたのじゃ」
突っ立ったまま、ポタポタと涙を落とすAをマクゴナガル先生がそっと背中をさすりながら抱き締めてくれた。彼女も静かに涙を流しているのを見ると、Aはたまらなくなって彼女に抱き付いた。
Aの涙が引いた頃、ダンブルドアはチョコレートと暖かいミルクティーを用意してくれた。それらを口にすると、不思議と、冷え切った心の中も暖かくなったような気がした。
授業が終えたフリットウィック先生も駆けつけてくれ、彼は優しくAの手を握ってくれた。
うまく気持ちの整理は出来ないが、心強い大人達に囲まれ、Aは少しずつ落ち着きを取り戻すことが出来たのだ。
「辛いかも知れぬが＿＿君には何が起こったかを知る時間と、これからのことを考える時間が必要じゃ」
その言葉にAは頷いた。
フリットウィック先生の付き添いで、彼女は校長室の暖炉から自分の自宅へと戻ることとなった。
その日の大広間では、血相を変えたマクゴナガルの様子と、朝の授業以降全ての授業を自習にしたフリットウィック先生＿＿姿を消したA・グレイディの話で持ちきりであった。
その噂は寮を超え、リーマスの元へと伝わるまで、時間は掛からなかった。
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ひまわり。(プロフ) - レティシアさん» ありがとうございます😌子世代編へと続いていくのでお時間あれば目を通していただけると嬉しいです(^^) (2022年1月27日 20時) (
レス) id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
レティシア - ……この作品、最高。これこそ私の探していた小説ｯ (2022年1月27日 19時) (レス) @page49 id: 04b1c05e16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり。 | 作成日時：2021年4月14日 20時
