秘密 ページ12
5年生からは今までと違い、学年末にかなり難しい試験がある。
普通魔法レベル試験(Ordinary Wizarding Levels)の頭文字を取って「ふくろう(OWL)試験」だ。
成績によって、6年生以降の授業選択や将来の仕事に影響が及ぶという非常に重要な試験。
監督生の仕事に加え、この試験を意識しながらのレベルの授業や課題が新学期早々に進められ正直言って参ってしまいそうだ。
＿＿人狼が選択できる将来の仕事など無いに等しいのに。
何だか虚しい気持ちを抱えながら、課題の為に選んだ図書室の本を手にプラプラと廊下をあるいていると、同じ様に図書室から出てきた誰かに声を掛けられた。
「リーマス」
その声に、まさか、と驚きながら振り向くと、やはりそこにはレイブンクローのネクタイを緩めに締めたAが居て、ニコッと手を振りながら寄ってきてくれた。
「A」
「ふふ、やっぱり、リーマスだった。後ろ姿がそうかなって思ったの。リーマスも数占い学の課題を？」
チラリ、と僕の手の中にある数冊の本に視線を送ると彼女はそう言って笑みを見せた。
数占い学は、数少ない、レイブンクローとの共同授業の一つだ。
占い学の水晶玉がどうも満月を思わせた為、ジェームズ達とは全く違うこの授業を取った僕が、リリーと同じ授業だと知ったジェームズの嫉妬ぶりときたらすごかった。
リリーとAはよくこの授業でペアを組んでいたので、その嫉妬の矛先を僕に向けるのはお門違いだと毎度の様に伝えるのも煩わしいくらいであった。
Aと2人きりで話すのは、汽車の中以来だ。
未だにぎこちない態度しか示せない僕とは正反対に、Aはしっかりとした口調で、まるで古くからの仲の良い友人の1人の様に親しく話し掛けてくれた。
その暖かさが、僕の憂鬱さを少しだけ晴らしてくれている気がした。
「うん、そうなんだ」
「私、占い学がなんだか苦手で＿＿数占い学の方がいいかなと思って選んだけれど、ふくろうレベルになってからなんだか複雑になってきたわよね」
「確かに、、複雑な計算式を使う様になってきたからね、、でも、占い学が苦手？授業を選択する前から苦手意識があったのかい？」
今まで知らなかったAの苦手に聞き返すと、彼女は肩を窄めた。
「占い学のあの水晶玉が、どうも好きになれないのよ＿＿これは秘密ね」
僕と似た様な理由に、自分の秘密のことを言い当てられている様な気分になってドキっとした。
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ひまわり。(プロフ) - レティシアさん» ありがとうございます😌子世代編へと続いていくのでお時間あれば目を通していただけると嬉しいです(^^) (2022年1月27日 20時) (
レス) id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
レティシア - ……この作品、最高。これこそ私の探していた小説ｯ (2022年1月27日 19時) (レス) @page49 id: 04b1c05e16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり。 | 作成日時：2021年4月14日 20時
