好きになったらダメですか？２【忍たま】

番外編 八話 ページ44

「…こんなところで何してるの？」


「僕たちは仕事中なんだなぁ」

あ、四郎兵衛癒し。


「おい四郎兵衛。なに普通に答えてんだよ。忍者だぞ！？」

そういう久作も声が大きいですよ。



「そういうA先輩こそなにやってんですか」

左近、その冷たい目はやめてくれ…


「昨日徹夜しちゃって…眠くて眠くて」

ふわぁ〜、とあくびが出てくる。

「徹夜ぁっ！？そんな体に悪いことしてるんですか。睡眠というのは疲労回復だけじゃなく風邪の予防だったり、ストレスの緩和の効果があったりするんです。しっかり寝てください」


あ…はい。

なんか伊作に怒られてる気分。


さすが保健委員。引き継いでるね。


「徹夜とか潮江文次郎先輩じゃないんだから…女子のすることじゃねえ…」


「ん？三郎次、なんか言った？」

にっこり笑うと三郎次はサッと視線を外した。


悪かったね！女子らしくなくて！！


私が1人拗ねていると

「先輩、そろそろ僕たち仕事に戻ります」


4人がペコッと頭を下げる。

「気おつけてね〜」


4人の走り出した後ろ姿が見えなくなっていく。




『今の1年生が卒業するまでに戻ってきたいなぁ…』


『A、待ってるからな』




…会いたい。

ううん。行かなきゃいけない。


もし会ったら、もうこの世界に戻れないかもしれない。


まあ仕事は仕事だからやるんだけど。



「……帰ろ」



私は忘れたくても忘れられなかった

大好きな人の元へ走り出した。

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