好きになったらダメですか？２【忍たま】

一話 ページ1

《土井》

Aが卒業してから早くも5年が経った。


あの時の一年は組はもう6年生。

無事、全員6年生にはなれたものの

未だに進級ギリギリラインなのはあえて触れないでおこう。


「土井先生！久々知兵助先輩が来られました！」



6年は組の教室に入ってきた小松田くんと兵助。

「また来たのか。」


ここのところ利吉くん並みの頻度で来ている。

もしかするとそれ以上かもしれない。


「いやぁ…A先輩が来るかもしれないと思うとつい笑」


Aは卒業前に

一年は組が卒業する前に戻ってくる

と言った。

だから今年が最後のチャンスとなる。


「土井先生、A先輩は帰ってこないのですか？」

は組のみんなも会いたがったいるというのに。


「それが、卒業生の中でAだけが連絡がつかないんだ。だが、絶対に約束は守る人だから。必ず来るよ。」


「土井先生もなんで好きな人との連絡手段くらい持っとかないのかなぁ。」


お、おいっ！！きり丸っ！


は組と兵助がニヤニヤして私を見る。


「俺、ずーっとなんでくっつかないんだろうって思いながら見てたんすよ？」


まさか10歳以上も年下の子達にまでばれてしまっていたとは…。



「土井先生。」


「なんだ？乱太郎。」




「早くA先輩に会いたいですね。」



ニッコリと保健委員会委員長らしく優しい微笑みを浮かべる。


「…そうだな。」

はあ。この子たちにはいつまでも振り回される。

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