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A side
稲荷崎の文化祭から1ヶ月が経った。蝉もうるさい8月。
生活は何も変わらず、昼から夜まで働いてたま〜に飲む。
楽しいはずなのに、何かが足りない。
頭には倫太郎のことばかり。
今何してるのかなとか、もう夏休み入ったかな、とか。
あいつは部活で夏休みだろうと関係ないから、全く情報が掴めない。
あの公園を目指して歩く足取りも自然と重くなっていく。
「なんでかなぁ。」
ふぅ、と煙草の煙を吐きながら考える。
こうしてたらなんだか彼が来る気がして。連絡手段があるのにそうしないのは、素直になれないからだ。そうしてしまったら、今までの関係が全部崩れるような気がした。
今まで人に優しくされた経験が乏しいから、優しくされるとすぐ心を許してしまう。やめた方がいいのは分かっていても、そうすることが出来ない。そうしてきて、今まで後悔しかしてないのに。
それでも体を許したことはないから、問題ないと思ってしまう。
「なに？なんか悩み事？」
ベンチの後ろから声がする。声だけで誰か判別がつくため振り向くことはしなくていいはずだった。
なのに、顔が見たくて振り向いてしまった。あくまで冷静を装って、ゆっくりと。
「わっ、びっくりした…びびるやろ、倫太郎。」
「の割には反応薄いなぁ。久しぶり、Aちゃん。」
「久しぶりやなぁ。1ヶ月会ってへんやろ？」
「そうだね…。おれは寂しかったなぁ。｣
そうやって簡単に人に優しくして。人たらしめ。
「ちょっとは…寂しかったかな。」
「そっか…俺はまた会えて嬉しい。…それでさ、再来週にちょっと遠いんだけど、ここで夏祭りあって、行かない？」
突然の誘いに吃驚して持っていた煙草を落としてしまう。幸い体には当たらず灰皿の中に落ちてしゅう、と音を立てて火が消える。
「うちでいいんか。」
嬉しいはずなのに口を開けば自分を下げる言葉しか出なかった。自分に自信は元々ないけれど。
倫太郎のスマホに映る日時の欄を確認する。2日間ある。2日目はその日は休みにしてたはずだ。
「Aちゃんだから誘ってる。」
「…ありがとなぁ。2日目やったら行ける。」
「ほんと？じゃあ7時ぐらいにここ集合でいい？あ、ちなみにこの日男バレ俺以外でどっか行くみたいだから。」
「えっそんな、それはそっちに行った方が…」
「いいの。絶対いない日にしたかったからさ。」
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ヤナ - ヤバすぎ､､､､倫ちゃんがタバコとか､､､､想像するだけでにやけてまう､､､､ (2021年4月8日 17時) (
レス) id: 4f2b53094b (このIDを非表示/違反報告)
煙 - 初めまして、コメント失礼します！夢主ちゃん惚れました(((更新楽しみに待ってます！応援してます！！！ (2020年12月20日 3時) (レス) id: f55a523df1 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 神作品降臨ですわ....ありがとうございます！!! (2020年12月19日 19時) (レス) id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカぬ - めちゃくそ面白いです！更新頑張って下さい！ (2020年12月19日 10時) (レス) id: 00b7d99141 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とうか | 作成日時：2020年11月15日 4時
