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角名side
学校を飛び出して、大阪方面の電車に乗った。
行き先なんて考えてない。とりあえず大阪方面ならどっか遊べるところあるかな、ぐらいの気持ち。
「もうこの際やし、昔話でもしよか。」
その言葉を皮切りにぽつぽつと昔にあったことを話してくれた。
それを一字一句聞き逃さないように耳を澄ました。
「…こんな感じや。悪いな、こんな気分悪なるような話してもうて。」
全てを話してくれたAちゃんにまずはありがとう、と感謝を伝える。がんばったね、そんな月並みな言葉しか浮かばない。思っていた以上にそれは残忍なものだった。聞いていた俺が辛くなる程に残酷を極めた行為。よく自分の口から話してくれたと思う。
「頑張ったね、もう、俺がいるから…」
電車内など気にせずにAちゃんを抱き締める。
俺より小さい身体はすっぽりと胸元に収まり、今までで一番密着する体制になる。、
背中をぽんぽんとさするとしゃくり上げる声がする。
そうか、この子はきっと人の温もりを知らずに生きてきたんだろうな。これからは嫌という程構っていこうと決めた瞬間だった。
「もう、泣かないの。俺がいるって言ってるでしょ。」
「っう、ん、だって、こんな話して、笑わないでいてくれた、の、初めてで…嬉しくて…」
その言葉に怒りすら覚えてしまう。たかだか四ヶ月もない付き合いで、お互いのことをそこまで知っているわけではないのに。それなのにここまで踏み込んだ話をしてくれたことは純粋に嬉しかった。
俺に受け止める器があるとは思えないけれど、これからも彼女の傍に居られればいいな。
まだ告白も何も出来ていないのに、そう考えてしまうのは良くないことかもしれないけれど。
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ヤナ - ヤバすぎ、、、、倫ちゃんがタバコとか、、、、想像するだけでにやけてまう、、、、 (2021年4月8日 17時) (レス) id: 4f2b53094b (このIDを非表示/違反報告)
煙 - 初めまして、コメント失礼します!夢主ちゃん惚れました(((更新楽しみに待ってます!応援してます!!! (2020年12月20日 3時) (レス) id: f55a523df1 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 神作品降臨ですわ....ありがとうございます!!! (2020年12月19日 19時) (レス) id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカぬ - めちゃくそ面白いです!更新頑張って下さい! (2020年12月19日 10時) (レス) id: 00b7d99141 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とうか | 作成日時:2020年11月15日 4時