北さんの妹、不良少女につき。【角名倫太郎】

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No side




その後兄妹の関係や、イジメには何も進展は無く、Aは小学校を卒業。卒業式は出席しなかったらしい。そして中学校に入学。中学受験はせず、兄と同じ中学校に入学。
A頭が良かったし、中学受験をして環境を変えて小学校の頃には味わえなかった学校の楽しさを知って欲しかった。




しかし彼女の気持ちは中学受験など頭に無かったらしい。
彼女はそこそこ面倒臭がりで、わざわざ遠くにある学校に毎日通うというのがストレスになるとのこと。彼女らしいと言えばらしいが、兄はどうにも納得出来ないし、三年間が不安でしか無かった。





その不安は直ぐに的中する。同じ小学校だった人達がいる。それはイジメっ子も例外では無かった。しかもなんとAとイジメっ子は同じクラスになってしまった。腐れ縁とはよく言ったもので、離れようにも離れられなかった。




中学生活は酷いもので、イジメはもちろんの事だったが、小学校の頃と違い誰も味方がいなかった。エスカレートし始めると見ていただけの男子は止めに入ってくれたが、それも無く、唯一のこころのよりどころだった先生も見て見ぬ振り。もう希望を感じられなくなったAは引きこもるようになった。





そして家で勉強をしたり祖母の手伝いをしたり。それはとても充実したもので、数年ぶりに心からの笑顔を見せた。
兄の教科書のお下がりを奪うようにして借りて勉強していた。
五冊目あたりで気付いたが勉強に励むことを咎める気は全く無かったため黙っておいた。




そのまま月日は流れ兄妹は高校に上がる歳になった。
しかしAは高校には進学せず、アルバイトに明け暮れる日々。
その中で酒と煙草を覚えた。最初は先輩がやってる事の真似事。だんだん楽しくなって辞められなくなった。でもこの瞬間、自分を必要としてくれていることが嬉しくてたまらなかった。しかも自分も楽しい。
十五歳にして本当の友達が出来た気がして羽目を外してしまったのがダメだったのかもしれない。吐くまで飲んだこともあるし、朝帰りはしょっちゅう。
真面目に生きてきたからこそ弾けてしまった。
でも最低限の勉強はしていた。学ぶことは嫌いでは無かったし、必要だと感じていたから。




そして今に至る。





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あけましておめでとうございます。


本年もこの作品が完結するまで読んで頂ければ幸いでございます。


そして過去編終わりです。次はAと角名sideに戻ります。

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