北さんの妹、不良少女につき。【角名倫太郎】

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角名 side


Aちゃんと会った次の日。




北さんの妹って時点で驚いたのに兄とはかけ離れた彼女のことが気になって仕方がなかった。





彼女の言葉には引っかかるものがいくつかあったが、初対面で聞き出すなんて失礼は出来なかった。俺は侑みたいにズカズカ突っ込んだりしないし。





そこにいる北さんに聞いてもいいがあの様子だと他人が聞いていい範疇を超える気がしてなにも言う気になれない。




(はぁ…北さん、なんか今日ずっと近くいるな…)





「なんや角名、今日いつも以上にサボってるな」




急に悩みの種である北さんに話しかけられ変な声が出た。しかもそこそこ周りに聞こえていたようで一斉にこちらを部員が見てきた。
あんたのせいですよ、なんて言うことは出来ずすいません、とあしらうように謝り朝練に戻る。





これ以降北さんやその他部員に追求されることなく朝練は終了。
もちろん、俺の悩みは消えることは無かった。





「なんやスナ、パッとしない顔しよって」



「治までなんだよ…」



「いや、ほんまにわかりやすいぐらいテンション低くいで、今日のスナ」



そうかよ、とも言える気持ちもなかった為はぁ、と言って流す。
ただ、あまり表情が表に出ない自分がこうなるほどにはAちゃんのことが気になってるってことか。
このだるい気持ちも昨日の煙草のせいだ、とチャイムの音を無視して机に突っ伏した。

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