33.辛いのは、同じ ページ33
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「Aちゃん…大丈夫?」
学校が終わっても、まだ席でぼーっとしている私に紫ちゃんが話しかけてきた。
「大丈夫…じゃないけど…」
「そうだよね…」
「紫ちゃん部活あるんやろ。いかんくてええん」
ほとんど言葉に力がない。
なんとか声を出しているって感じだ。
なんにも考えられへん。
「あのね…お節介だけど、私なんかの意見なんて聞きたくないかもしれないけど、言わせて」
紫ちゃんはいつになく口調を強めて言った。
「私も…転校何度もしたからわかる。折角仲良くなった友達とか、慣れた学校から離れるのって
すごく辛いんだよ。それが何度繰り返しても…毎回辛いの。慣れたりなんてしないよ」
紫ちゃんの言葉にはっとした。
私は、倫太郎の…何を見ていたんだろう。
ちゃんと私のこと好きでいてくれてる。
離れるのが辛いのは私だけじゃない。
それどころか、倫太郎は慣れた場所や学校からも離れないといけないんだ…。
「だから、Aちゃんも辛いと思うけど、一番辛いのは倫太郎なんだよ…Aちゃんだけは…分かってあげてほしいよ…」
倫太郎にひどいことを言ってしまったな。
私は紫ちゃんに向き合った。
「ありがとう…紫ちゃん。私、今日は倫太郎のこと部活終わるまで待ってる。ちゃんと、謝るよ…」
紫ちゃんは頷いて、そのまま部活へ向かった。
倫太郎を待つといっても、待っている間暇だしやることもない。
私は使いかけのノートを1ページ千切って
出会ったときから今までの倫太郎への気持ちを手紙にした。
倫太郎のことがずっとずっと好きやった。
初めて会った時から今までずっと。
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茜(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます!私ももうちょっと長く書きたいなあーって思っちゃいました。また、続編書ける時が来たら書きたいです。応援してくれてありがとうございました! (2018年10月29日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 愛永さん» ありがとうございます!こんなの角名くんじゃない…って思われないか心配でしたが、楽しんでもらえたなら良かったです!続編、頭に浮かんでいるのはこのお話とがらっと雰囲気変えた話なのですが、いつか書きたいです! (2018年10月29日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
すいみ〜 - もももも、もう終わっちゃうの〜??素敵な小説を書いてくれてありがとうございました〜!正直、まだ終わってほしくないです〜!!!でも、お疲れ様でした!続きを期待しちゃってます・・・! (2018年10月29日 17時) (レス) id: a616d0f8f5 (このIDを非表示/違反報告)
愛永(プロフ) - おぉぉ…完結(?)おめでとうございます!凄い感動しました…。続編、もし作者様が書けるのであれば書いて欲しいです…!角名くんの小さい頃のツンデレ感最高でした! (2018年10月29日 17時) (レス) id: ba4d172ca4 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります! (2018年10月25日 19時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜 | 作成日時:2018年10月17日 17時