34.今までと、これから ページ34
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｢何、寝てるの｣
気づいたら部活が終わっている時間だった。
冬だからもう真っ暗だ。
倫太郎が私の目の前に立っている。
｢倫太郎!!!｣
飛び起きると倫太郎は優しい笑顔で私を見つめていた。
｢前、俺がAのこと、ここで待ってたよね｣
紫ちゃんの指輪を探した日のことだ。
ついさっき、手紙に書いたばかりだったので鮮明に思い出す。
｢倫太郎…ごめん、ひどいこと言うて。倫太郎のほうが辛いのに…私自分のことばっかりで…｣
私が謝ると、倫太郎は涼しげな目をもっと細くして笑った。
ごめん、と謝っても、やっぱりこの人が側にいなくなると考えると辛くて仕方がなくて
やっぱり涙が溢れた。
ボロボロと顔を伝う雫を倫太郎は自分の手で優しく拭った。
そして、その瞳が私を捉えた瞬間
唇に優しい感触が走った。
それは倫太郎の唇の感触。
心臓が止まりそうだったけど
その一瞬、私も思わず目を閉じた。
｢俺…Aのこと大好きだよ｣
｢私も…大好き…｣
｢引っ越し先、県内なんだ。ここからじゃ電車で2時間はかかるけど…夏休みとか、会いに来るから…だから、俺のこと待っててくれない？｣
離れていてもお互いのことを好きでいていいってことなんかな。
さよならじゃないよね。
また会える…。
｢待つ…待つよ！私、倫太郎しか好きちゃうもん！｣
｢よかった｣
あんなに酷いことを言ったのに。
倫太郎は優しかった。そして強く、前を向いている。
｢倫太郎は…すごいなぁ…強くて…｣
｢俺だって昔はこんなんじゃなかったよ。Aに会えたからだよ｣
そう言って私の頭を撫でてくれる。
私はそのまま倫太郎の体に抱きついた。
｢高校はバレーの強豪に進学するつもり。稲荷崎高校って、最近兵庫じゃ一番の有力候補だよ。
ここからでも通えるから、Aもおいで。高校になったら同じ学校に行こう｣
先のことまで…そこまで考えててくれたんや。
倫太郎の優しさに、また涙が止まらなくなる。
｢絶対…いく…高校も倫太郎と同じがいい…｣
｢Aにはちょっとレベル高いからちゃんと勉強してよ。俺はバレー推薦で行けるけど｣
｢が…頑張る…！！｣
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茜(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます！私ももうちょっと長く書きたいなあーって思っちゃいました。また、続編書ける時が来たら書きたいです。応援してくれてありがとうございました！ (2018年10月29日 18時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 愛永さん» ありがとうございます！こんなの角名くんじゃない…って思われないか心配でしたが、楽しんでもらえたなら良かったです！続編、頭に浮かんでいるのはこのお話とがらっと雰囲気変えた話なのですが、いつか書きたいです！ (2018年10月29日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
すいみ〜 - もももも、もう終わっちゃうの〜？？素敵な小説を書いてくれてありがとうございました〜！正直、まだ終わってほしくないです〜！！！でも、お疲れ様でした！続きを期待しちゃってます・・・！ (2018年10月29日 17時) (レス) id: a616d0f8f5 (このIDを非表示/違反報告)
愛永(プロフ) - おぉぉ…完結(？)おめでとうございます！凄い感動しました…。続編、もし作者様が書けるのであれば書いて欲しいです…！角名くんの小さい頃のツンデレ感最高でした！ (2018年10月29日 17時) (レス) id: ba4d172ca4 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます！これからも更新頑張ります！ (2018年10月25日 19時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜
| 作成日時：2018年10月17日 17時
