検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:92,332 hit

1.転校生の君 ページ1

.


うちの学校は田舎の小さい学校。
クラスの数も少なくて、皆見知った仲間ばかり。
この春から5年生になった。
高学年やし、好きな男の子の一人や二人欲しいもんやのにな。



「こんな昔からずっと一緒におる奴らばっかりやもんなぁ。ときめきも何もないわ」
「Aは理想高いんやなぁ〜?悠人くんとか、諒くんにも興味ないん?」



親友の萌は、スポーツできて、背もまあまあ高い
学年でも人気者の二人の名前を挙げる。



「いやや。モテてかっこつけとる男は好きやないもん」
「ほんなら、今日から来るらしい転校生に期待やな!男の子らしいで!」


こんな小さい学校に転校生が来るなんて噂がたったもんやから
そりゃあもう一大事。
転校生か。うちはじいちゃんばあちゃんは農業をやっとって
父ちゃんと母ちゃんは家で食堂を経営している。
つまりは、転校なんて絶対にありえへん環境。
それどころか、親は店があるから小さい頃から旅行もあんまり行ったことがない。
他の県のことなんて授業で習ったりとかテレビで見たりするだけ。
この町や、ずっと一緒におる萌とかと離れるなんて考えられへんな。


そんな事を考えながら、授業が始まる前にトイレいっとこ。と思って席を立った。
歩いていると、廊下で不審な動きをしている男の子のを見つけた。
見たことない子や。
この子が転校生なんかな?



「どうしたん?なにしとるん??」



私が声をかけると、その男の子が振り向いた。
この辺の子にはない、洗練された都会の空気を纏ったその男の子。
涼しげな目元。身長は、多分この学校じゃ一番後ろに並ぶことになるやろってくらい
大きい。



「トイレ…どこなの?」



イントネーションが全く違うことに驚いた。
テレビの中の人みたいや。



「あ…そっちの角…曲がったとこ」
「そうなんだ。どうもありがとう」



ぺこっと頭を下げて、彼は走っていく。



「あの…廊下走ったらアカンで…」


そう呟く声はきっとあの子には聞こえていない。
一目見て。一言喋っただけで。
なんてカッコイイんやって、心を奪われた。

2.上げて落として、傷跡→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (68 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます!私ももうちょっと長く書きたいなあーって思っちゃいました。また、続編書ける時が来たら書きたいです。応援してくれてありがとうございました! (2018年10月29日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 愛永さん» ありがとうございます!こんなの角名くんじゃない…って思われないか心配でしたが、楽しんでもらえたなら良かったです!続編、頭に浮かんでいるのはこのお話とがらっと雰囲気変えた話なのですが、いつか書きたいです! (2018年10月29日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
すいみ〜 - もももも、もう終わっちゃうの〜??素敵な小説を書いてくれてありがとうございました〜!正直、まだ終わってほしくないです〜!!!でも、お疲れ様でした!続きを期待しちゃってます・・・! (2018年10月29日 17時) (レス) id: a616d0f8f5 (このIDを非表示/違反報告)
愛永(プロフ) - おぉぉ…完結(?)おめでとうございます!凄い感動しました…。続編、もし作者様が書けるのであれば書いて欲しいです…!角名くんの小さい頃のツンデレ感最高でした! (2018年10月29日 17時) (レス) id: ba4d172ca4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります! (2018年10月25日 19時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年10月17日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。