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推し65。 ページ17

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「俺も好きだよ。A」





そう言った角名くんの表情はとても優しくて

いつもよりも雰囲気が柔らかくて


その瞳から一瞬目が離せなくて





吸い込まれるかと思った。







身体中の体温が一気に上がる。
顔に熱が帯びる。


熱い。






分かってる。これは友達としての"好き"。

分かっているのに



なぜか






本気のように聞こえてしまう。









あぁ、ダメだ。
これは私が都合よく解釈しているに過ぎない。

角名くんからの"好き"が友達としてじゃなく恋愛的な意味であって欲しいという私の願望だ。








私はどうしようもなく角名くんが、




角名倫太郎という人が好きなんだ。








「A?」



名前を呼ばれてハッと我に返る。


「大丈夫か、??」



なにも言葉を発さない私をみんなが心配そうに見ている。




『あ、、!いや、うん、大丈夫、!!』



私の顔は今たぶん真っ赤だ。

外が暗くてよかった。









いつの間にかいつもの分かれ道だった。

治くんたちともここでお別れで、



『あ!ここでお別れだね!!角名くんもここまでで大丈夫だよ!!!

ありがとね!!』



今この状態で角名くんと2人きりはまずい。


「え、いやでも、」


『大丈夫!!本当にありがとう!

治くんたちもまた明日ね!!』

と言って自分家の方向に足を運ぼうとして、止める。




『角名くん角名くん、!』


「なに?」


『私も、角名くん好きだよ、!!




じゃあね!』

侑くんちゃんと復習ねー!と言って今度こそ家路を歩き始める。



いや、走る。








なんか、走りたい気分だ。

気を紛らわせるために。




なんなら大声で叫びたい気分でもある。




近所迷惑だろうからそんなことはしないけど。
内心で叫ぶ。





心臓が飛び出しそうだ。









勢いよく家のドアを開ける



「おかえり!

夜なんだから静かにしなさいね!!」




そんなお母さんの言葉なんて全然頭に入らずそのまま階段を上がって自分の部屋に直行。







走ったせいで息が上がっている。苦しい。



私はその場に座り込む。









しばらくして落ち着いてきたけど心臓は鳴り止まない。


ちゃんと笑えてたかな

変に思われなかったかな

自然だったかな


そんなことを考える。









.









角名くんへの"好き"。









次はちゃんと、





自分の本当の気持ちで伝えたい。




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設定タグ:稲荷崎 , 角名倫太郎 , 宮治   
作品ジャンル:恋愛
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なまこ。(プロフ) - ピさん» そのように言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年11月22日 22時) (レス) id: 5f15e24d76 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 終始にやけてたし心臓ギュンギュンだった、、、 (2020年11月21日 7時) (レス) id: 750573379c (このIDを非表示/違反報告)
なまこ。(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!!完結になります、!!最後までどうぞよろしくお願いします!!! (2020年8月19日 6時) (レス) id: 5f15e24d76 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 今回もほんっとに面白かったです!!!!忙しいかもしれないけど頑張って下さい!!!! (2020年8月15日 22時) (レス) id: c50f9639f2 (このIDを非表示/違反報告)
なまこ。(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!励みになります! (2020年5月17日 8時) (レス) id: c7c4be0219 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はむ。 | 作成日時:2020年5月8日 14時

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