弱々しくて、稚拙で、拙い ページ48
Aside
「…私、…銀ちゃんのことが好き！！！」
……それは酷く弱々しくて、稚拙で、拙い告白だった。
涙で顔をぐしょぐしょにさせて、回らない頭で必死に言葉を探して、それで口にしたのはそんな言葉達だった。何を言ったらいいのか分からないくせに、伝えたい言葉が溢れてきてしまったものだから困った。
……でも、それでいい。一番伝えたかった二文字は、しっかりと言えたのだから。これで、言えなかったことへの後悔を抱き続けることはきっとない。
……だから、潔く、銀ちゃんからの言葉を受け入れよう。
報われなかろうと叶わなかろうと、もうどうだっていい。ただ私は、銀ちゃんに「好きだ」と言いたかっただけなんだから。
……全て言い切って、私は大きく息を吸い込んだ。今までずっと苦しかった分、少しだけ楽になれた気がする。
…まだ、涙でぼやける視界の中に、その銀色を捉える。私の言葉を聞いて、ただそこに立っているソイツ。私は、風に髪を揺らしている銀ちゃんに、なんとなく笑いかけてみた。
……すると。
銀「……っっ、」
次の瞬間、銀ちゃんは突然にその足を動かし始めた。カン、カン、という階段を上る音が辺りに響いて、私は「え、」なんて声を漏らした。なんでこっち来んの。え、え、何。
足早に、何も言わずに私へと近づいてくる銀ちゃんの顔は、うつ向いていてよく見えなかった。私としてはあんまり、泣き顔を見られたくはないのだが。
「…ちょ、銀ちゃ……、」
慌てたように私がソイツの名前を呼ぶと、その時にはもう既に私の目の前に銀ちゃんはいて、踊り場にいる私より二段ほど下の段に足を踏み込んだ、その瞬間。
……グイッ、と。右腕に銀ちゃんの体温が触れて、引き寄せられて。「わ、」と声を出す暇なんてソイツは与えないまま。
「…、ん、」
……私の唇に、銀ちゃんのそれが触れた。唇も、右腕も、触れた所が一気に熱を帯びていく。状況がうまく飲み込めない。けれど。
……目の前にある銀ちゃんの顔が、これを現実だと私に告げている。
「ん、んん…！？……んっ」
驚きのあまり、声にならない声が漏れる。身体に変な力が入るけれど、うまく動いてはくれない。
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廣岡唯 - 頑張れよ待ってるよ (12月26日 20時) (
レス) @page1 id: 4e412208c6 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - ピピコさん» 待ってます！ (2017年6月16日 21時) (レス) id: 2e2daa92b8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - さなさん» わわ！さなさん！コメントありがとうございます！！物語が今最大級に盛り上がっています！！(多分)頑張らせて頂きます！！ (2017年6月16日 20時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すごく続きが気になります！頑張ってください！ (2017年6月16日 19時) (レス) id: 2e2daa92b8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 千日紅さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！これからも少しでも素敵な物語を書けるよう頑張りますので、お付き合い頂ければ幸いです！コメントありがとうございます！！ (2017年6月16日 14時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピコ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時：2017年5月27日 20時
