どうでもいい ページ39
……そうだ。分かっていたはずじゃないか。
叶いっこないってことも、報われないってことも、伝えちゃいけないってことも……伝えたくても、伝えられないことも。
結局私は、伝えよう伝えようとして、言えなかった。怖くて、苦しくて、辛くなりたくなくて、自分の気持ちから逃げてたんだ。それなら、ただそれだけの話。私にとってこの気持ちは、それだけのものだったんだよ。
……だったら、諦められるでしょ。
所詮、『空想世界』と『現実世界』を飛び越えるなんて、出来やしないことなんだよ。そんなこと、しちゃいけないんだよ。
……なら、きっぱりと諦めて、気持ちも心の奥に閉じ込めて鍵をかけて、今まで通りに、……今まで通りに出来ればそれで、
……それで、いいじゃないか。
そう自分に言い聞かせながら、私は目元を隠していた右手を退かして天井を仰いだ。すると。
「ー・・あれ、」
視界に映った天井が、何故かぼやけていてよく見えなかった。眩んで、熱くなる。瞬きをすれば、私の目からは一筋の水滴が頬を伝っていった。熱を持っているその粒は、ポタリと私の左手に当たる。
……泣いている。そう自分が気づくのに、そう時間はかからなかった。そう気づいた途端、それらはとめどなく溢れて止まらなくなってしまって、自分でも戸惑ってしまう。
「っな、んで……なん、でっ……」
拭っても拭っても、涙は私の頬を濡らし続ける。しゃくりあげながら、私は必死にそれを止めようとするも、涙は止まることをしらない。
……やだ。
……やだよ。
……諦めたくない。
この気持ちを今更、忘れることなんて、捨てることなんて出来るはずない。
芽生えた気持ちはいつの間にか、私の心に根を張って、顔を出すのを我慢出来ずに、花を咲かせてしまっていたんだ。
……もう、諦められないところまで、好きになっちゃってるんだ。
世界だとか、壁だとか、そんなのもうどうでもいい。
私は、私は、
「……銀ちゃん……!!」
銀ちゃんのことが、好きなんだから。
『勇気は一瞬、後悔は一生』
いつか、沖田に言われた言葉が脳裏によみがえる。
…そうだ、現実世界に帰ってから、伝えておけばと後悔するのは、絶対に嫌なんだ。
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廣岡唯 - 頑張れよ待ってるよ (12月26日 20時) (レス) @page1 id: 4e412208c6 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - ピピコさん» 待ってます! (2017年6月16日 21時) (レス) id: 2e2daa92b8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - さなさん» わわ!さなさん!コメントありがとうございます!!物語が今最大級に盛り上がっています!!(多分)頑張らせて頂きます!! (2017年6月16日 20時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すごく続きが気になります!頑張ってください! (2017年6月16日 19時) (レス) id: 2e2daa92b8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 千日紅さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも少しでも素敵な物語を書けるよう頑張りますので、お付き合い頂ければ幸いです!コメントありがとうございます!! (2017年6月16日 14時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年5月27日 20時