畜生 ページ3
……どうしたものか、この状況。
ここ最近私はずっとこんなことばかりを考えている。ただでさえ私の頭は、恋とかいうものを自覚してから銀ちゃんのことばかり思い浮かべているというのに、更にそれを上乗せしてそこの死んだ魚の目のソイツのことばかりなのだ。
……嫌われてたりしたらどうしよう。
……なんだってそんなに素っ気ないんだよ。
そう言いたいのに、言いたい言葉が喉のすぐそこまででかかっているのに、出てきてくれない。声になってくれないのだ。胸がいっぱいで、苦しくて痛くて、こんな気持ちは初めてで、対処法すら分からない。
……いつか、お姉ちゃんが私にゴリ推しして仕方なく読んだ少女漫画を見て、「私とは無縁だな」なんて考えていた。恋なんて、私には関係無いと。
世の中の男なんて、どうしようもなくて性格悪くてうるさいだけのいきものだと、そう思っていたから。こんな漫画みたいなことにはなるまいと、そう思ってきた。なのに、
(…まさか私がこんな気持ちを抱くとは……)
全くの予想外だった。想定外だった。だからどうしたら正解なのか、何をすればいいのか、分からなくて今までずっと、何らかのアクションすらしていない。
=、進展なんてものは皆無なのだ。
「……あー……私、ちょっと散歩でもして行こうかなー…」
と、ソファーから立ち上がりながらそう呟いた。なんだか気まずくて、居心地が悪くて、居ても立ってもいられないというか。
新「え、そうなんですか?」
「うん、暇だしさ」
神「いってらアル〜」
神楽がソファーに寝転がり右手をヒラヒラとさせる。新八も「気をつけてくださいね」と。うん、と頷いて、チラリとまた銀ちゃんの方を見てみるも。
銀「……ふーん」
目すら合わせずに生返事をする始末。クソ、行ってらっしゃいだとか気を付けろよだとか、そんな言葉もナシかよこん畜生。
「……行ってくる」
銀ちゃんのそんな様子に不満と不安を抱き、ムッとしながらそう言うと、ツカツカと廊下を進んで玄関から私は歌舞伎町へと繰り出した。
「……なんだよ、面倒臭いな」
…なんでこんな苦しい感情を、痛い感情を知ってしまったのだろう。
……でも、本当に悔しいことにそれは、
……同時に私の心を、まるで、優しい風が吹き抜けていくように、暖かくほっこりとさせてくれるから、分からなくなる。
……本当によく分からないけど、今更この気持ちを捨てることなんて出来ないことだけは、なんとなく分かってしまっていた。
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廣岡唯 - 頑張れよ待ってるよ (12月26日 20時) (レス) @page1 id: 4e412208c6 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - ピピコさん» 待ってます! (2017年6月16日 21時) (レス) id: 2e2daa92b8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - さなさん» わわ!さなさん!コメントありがとうございます!!物語が今最大級に盛り上がっています!!(多分)頑張らせて頂きます!! (2017年6月16日 20時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すごく続きが気になります!頑張ってください! (2017年6月16日 19時) (レス) id: 2e2daa92b8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 千日紅さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも少しでも素敵な物語を書けるよう頑張りますので、お付き合い頂ければ幸いです!コメントありがとうございます!! (2017年6月16日 14時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年5月27日 20時