高望み ページ17
そもそもの話。私は本当に、銀ちゃんに自分の気持ちを、「好きだ」と伝えてもいいのだろうか。
ていうか銀ちゃんは前に、「ガキには興味ねぇ」とか、「ロリの趣味はねぇ」とかそんなことを言っていた。私はどう足掻いてもそのガキというカテゴリに属してしまう。その時点で勝ち目がないんじゃなかろうか。うん、頭を抱えたくなる。
それに、だ、それ以前の問題に。
……生きるべき世界が違う。私は、この世界じゃない世界の人間で、銀ちゃんはこの世界の人間だ。この間も、この事については考えたのだけど、
……こう、弱気になっている時というのはどうにも、自分で自分を追い詰めてしまうらしく。
やっぱり私が銀ちゃんを好きになることは、許されないんじゃないかと思ってしまう。なんていうか、壁があるというか。
それに、私が銀ちゃんに気持ちを伝えたら、銀ちゃんはきっと、迷惑に思うに違いない。多分銀ちゃんは優しいから、迷惑だ、とは言わないだろうし、顔にも出さないだろう。ただ薄く笑って、ごめんとだけ口にする。そう思える。
その場面をなんとなく想像しただけで、涙が出てきそうになる。それを必死に堪えて、手を握り締める。実際に言われてもないのに泣いて堪るかこの野郎。
……空想世界と、現実世界。
そんな境界線を飛び越えたいだなんて、高望みじゃなかろうか。
そんな思いを抱いては、また私は更に口を固く引き結んでしまう。言葉なんて出てきやしない。言葉を発することを恐れている。
……銀ちゃんに、そうやって笑いかけられることを、恐れている。
困らせたくない、迷惑がられたくない。なら、なら。
……このまま変わらず、こうやって過ごしていた方が、いっそ楽なんじゃないか。
そんな考えが浮かんでくる。それは、私が気持ちを伝えることから逃れるためのものだとしても、その考えを排除することは出来なかった。
随分弱気な考えだ。この間の決意はどこへやら。
……でも、変に距離を置かれるよりも、困らせるよりも、その方がいい気がしてきてしまった。
……好き、
銀ちゃんが好きだよ、私。
そう言ったらアンタは、一体どんな顔をするんだろうね。
「……銀ち…」
銀「俺さ、」
私が我慢ならずに、銀ちゃんと呼ぼうとするも、ソイツは私の声を遮って立ち上がった。
銀「ちょっくら出てくるわ」
「……え、どこに…?」
今日二人きりになって初めて声をかけてくれたことに少しだけ嬉しく思ってしまう私がいる。そんな場合じゃないのに。私がそう聞くと、銀ちゃんは「あー…」と、
銀「今週のジャンプ、買いに行ってくるわ」
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廣岡唯 - 頑張れよ待ってるよ (12月26日 20時) (レス) @page1 id: 4e412208c6 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - ピピコさん» 待ってます! (2017年6月16日 21時) (レス) id: 2e2daa92b8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - さなさん» わわ!さなさん!コメントありがとうございます!!物語が今最大級に盛り上がっています!!(多分)頑張らせて頂きます!! (2017年6月16日 20時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すごく続きが気になります!頑張ってください! (2017年6月16日 19時) (レス) id: 2e2daa92b8 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 千日紅さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからも少しでも素敵な物語を書けるよう頑張りますので、お付き合い頂ければ幸いです!コメントありがとうございます!! (2017年6月16日 14時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年5月27日 20時