月下の約束 ページ32
「わぁ…！」
先程まであった樹木なく、代わりに背の高い竹がいくつも茂っており、足元には水面が広がっていた
私、水の上に立っている？
辺りを少し見回して見ると、竹ではなく大きな絵札のようなものが浮かんでおり、まるでここだけ空間が抜き出されたようだ
大きな満月が、言葉では表しようがないほど綺麗で美しく、より一層幻想的に感じた
「結界か」
大天狗がそう言ったのを聞き逃さなかった
「結界って…こんな素敵なところが？」
かぐや姫は頷く
「はい。この結界の中であれば、誰にも邪魔されずに月見できますよ」
ニコッと笑ってくれたかぐや姫
…待って、もしかして勘違いしてませんか？
万が一のため、誤解を解こうと声をかけようとした途端
「では、私はこれで失礼しますね」
「あっちょっと！待ってー！！！」
私の制止を聞かず、かぐや姫はどこかへ消え去ってしまった
…絶対勘違いしてるよ！
思わず肩を落とす
それより、あの竹ふわふわと浮かんでたし、本当に何でもありだなこの世界は！
「誤解された…」
「何をガッカリしておる。それより見よ、作られた幻の鳥籠の中も悪くないぞ」
大天狗は特に気にしている様子はなく、空に浮かぶ満月を眺めていた
呑気なやつ！まあ、私も深く気にするのはやめよう
「本当だ、綺麗だね…」
はぁっと吐息をはく
できれば、茨木童子にも見せてあげたかったな
「…Aよ」
横で私の顔を見つめていた大天狗が私を呼ぶ
「泣きたくなったら…我の元へこい。胸ぐらい貸してやらんことはない」
「それって…」
私に泣き場所を？
大天狗は自分の発言に恥ずかしかったのか、私と目を合わせようとしなかった
素直に言ってくれればいいのに
何だかんだ私のこと心配してくれてるんだな
私はふふっと笑い
「胸はいらないから、悲しい時じゃなくても楽しい時も…ね？」
そんな利用するようなこと、したくないよ
私が言いたいことを理解してくれたのか、大天狗は目を細めた
「…ふっ、愚かな人間よ」
そう言って再び月を見上げる
友達として、これからも仲良く…していきたいな
胸の中でそう1人勝手に約束し、私も月を拝んだ
そよ風が、私と大天狗を撫でていった
「…あの、どこから出られるでしょうかこの結界は」
ふとよぎった不安が頭の中に渦巻いた
「壊す」
「壊すの！？」
思ったより簡単な方法で、拍子抜けしたのは言うまでもない
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はぐはまさ - ranさん» ranさん！読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね！少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます！ (2018年2月3日 14時) (
レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん！あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません！暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます！久し振りに更新されてて嬉しいです(´｀*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん！コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました！次作は大天狗との恋愛にします！笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はぐはまさ | 作成日時：2017年10月21日 23時
