梅雨の訪れ ページ21
あれから数日
「今日も雨だね」
縁側に座って、落ちてくる雨を眺めている神楽
安倍晴明は扇子を仰ぐ
「梅雨の時期だ…暫くは止まないだろう」
そう、この時代でも梅雨は訪れるらしい
夏の一歩手前かな
それにしてもやはり、このジメジメ感は苦手だ
私は屋内で洗濯物を干していた
「湿気凄いな…」
乾燥機欲しいです。切実に
「A…最近働き過ぎ、少し休もう?」
神楽が後ろでせっせと動いている私に声をかけてくれた
「いいの、こうして身体動かしてる方が気持ちが良いから」
あの日から、ずっと私は働き詰めだった
茨木童子が私を拒絶した日
思い出せば思い出すほど、心に重みが容赦なく乗っかかってくる
だからこう身体を動かして気を紛らしているのだ
不思議とあの日の翌日、突然梅雨前線がやってきて雨が地面を打ち始めた
…まるで私の気持ちに同情しているみたいだわ
そうだ、もう仕事はないから都に行って気分をリフレッシュしてこよう
例え雨の日でも、大分雰囲気が違うのかもしれない
「私、出掛けてくる」
「ああ。気を付けてな」
安倍晴明の声を背中に受け、私はたすき掛けを解いた
_________
傘を差しながら道を歩いていた
雨が容赦なく打ち付けてくる
「はぁ…」
何度も蘇るのは、あの時の言葉
茨木童子は何でわざとあんなことを言ったの
考えれば考えるほど心が苦しくなっていた
「ああ!お前はあの時の人間!」
んん?
野太い声がした方を見ると
「げっ…あんたたちは天邪鬼」
仲良く緑、赤、青、黄の天邪鬼達が私を睨みつける
確か…私がこの世界に放り投げられた時に初めてリアル鬼ごっこしたあの時の妖怪だ
そして茨木童子にたった一撃でやられた奴ら
「あの時の仕返しだ!貴様を喰らって強力な力を得、茨木童子や酒呑童子の首を掻っ切ってやる!」
…不思議と怖くなかった。むしろ
「悪いけど、今は食べられてあげるほど余裕はないのよ」
ムカつく、今一番聴きたくないあの鬼の名前を出したな!?
「ふざっけんじゃないわよ!逆に私があの馬鹿鬼に見返してやりたいわ!何よ、女なんぞ知らないなんて…こっちだってあんたなんか知らないんだからっバーーーーーカ!!!!!」
思わず溜まっていた怒りが爆発し、関係のないこの天邪鬼達に八つ当たりしてしまった
そんな私の唐突な罵倒にポカーンとしていた
「ちょ、落ち着いて…」
青が私を落ち着かせようとした時
「そこで何をしている」
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はぐはまさ - ranさん» ranさん!読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね!少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます! (2018年2月3日 14時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん!あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません!暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます!久し振りに更新されてて嬉しいです(´`*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん!コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました!次作は大天狗との恋愛にします!笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年10月21日 23時