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27.悪戯 ページ27

.








「あ、Aちゃんや。どないしたん?」


「……!」





一組さんにちょっとした用事があって。


その教室内をこそこそと覗いていると、
入り口近くにいた女の子が声を掛けてくれた。



しかもなんとその子は、
何時ぞやの角名くんと歩いていた美少女で。

その可愛さにドキッとしつつ神様は不公平だと心の中で嘆いた。







「もしかしてすなりん?」


「えっ!?」





突然、彼女の口から角名くんの名前が出てきた。

急に胸が苦しくなって心拍数が上がる。







「な、なぜに?」


「ウチの彼氏がな、すなりんとAちゃんはデキてるって」


「ぶええっ!?」






まず美少女に彼氏がいたことに驚き。

(これだけ可愛かったらいるだろうけど!)


私と角名くんの関係が知らない所でとんでもない事に
なっているのにも大変驚いた。







「私達そんなんじゃないよ!あと角名くんに用事じゃなくて」


「えっ違うん!?」





違う違う!と必死に首を振った。




はーびっくりした。心臓に悪い。

ぱたぱたと顔の前で手を振って熱を冷ましていると、






「なにこれどういう状況?」


「何しとるん?A」


「っうわ!?」





ペットボトルを持った角名くんと治くんが声を掛けてきた。


背後から現れた長身の二人に声を上げる。







「ヒミツのお話中。な〜Aちゃん」


「はは。何やそれ」


「Aちゃん中入りなよ」


「え、ちょ、わわ」






角名くんが私の背中を軽く押して教室に入れる。


そして、そのまま治くんと教室の奥へ行ってしまった。








??……何なんだ一体。





若干戸惑いながらも、

美少女の助けも借りて何とか用事を済ませた。








「ふふ。Aちゃん3ポイントなん?」


「えっ?」






帰り際、美少女がそう言って微笑みながら、

手を伸ばして私の背中に触れる。



ほら。と彼女の指先にはよく飲み物とかに付いている
ポイントシールがくっついていた。







「げっ」







なにこれ。いつの間に。……あっ。





顔中に熱が集まるのを感じながら、

さっき角名くんに背中を押されたことを思い出した。







あの時か……!!




バッ!と慌てて角名くんのほうを見ると、彼は机に頬杖をついて治くんと会話しながら流れるような目線で私を見た。




あ、気付いた?とでも言いたげな表情をしては、

べーっと舌を出して悪戯っぽく笑われる。





ああもう、ほんとに。何なんだ。

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作者名:. | 作成日時:2020年1月29日 23時

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