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16.大したこと ページ16

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とりあえずの待ち合わせ場所と、

どの辺りに行くのかを大まかに決めて角名くんとはその場で別れた。






『じゃあ靴箱のところに集合ってことで』

『俺が色々見とくからAちゃんは楽しみにしてて』








教室に戻りながら、別れ際の角名くんの言葉を思い出す。




うーーん、誘われた側とはいえ、

角名くんに全部任せちゃっていいのだろうか??





険しい顔をして自分の席に戻ると、

おかえり〜と友人たちが明るく迎えてくれた。



後ろの席の侑くんは机の上にうつ伏せで眠っている。







「えらい険しい顔しとんなぁ」


「ほんまや。なんかあったん?」







不思議そうに友人たちが私の顔を見つめてくる。








「あ、うん……角名くんと出掛けることになってね」







小さめの声で伝えると二人が同時に、えええっ!?と声を上げた。



クラス内の生徒が何事だとこちらをガン見する。

やだ。そんな目で見らんといてください。







「Aとすなりんが出掛ける??」


「なんやこの急展開…!」


「ちょ、Aちゃんそれマジなん!?」








そしてなぜか机にうつ伏せで寝ていたはずの侑くんが、

ガバッと勢いよく起き上がった。



起きてたんかい。






「なんやミャーツム起きとったん」


「狸寝入り?」


「自分ら席戻れや。俺はAちゃんと話あんねん」


「「はぁ〜〜!!?」」






私の席で盛り上がっていた友人たちを、しっし、と手で払う。






「まあ別に大したことじゃないし」


「いや大したことある!」


「え、でも」


「ええからはよ座って!」





私の席のイスの背もたれをバシバシ叩きながら座るよう催促してくる。


もーこうなったらしょうがない。




友人たちがぶつぶつと文句を言いながら席に戻って。

私も自分の席のイスに腰かけた。






「で、どっちから誘ったん!?」




座って早々、侑くんが机から身を乗り出しながら興味ありげに聞いてきた。





「角名くん」


「ほーん。そんでAちゃんはOKしたんや」


「……なにその顔」


「フッフ。気にせんといて〜」






そう言いながらずっとニヤニヤしている。

表情筋ゆるゆるか!なんかすっごいムカつく。






「あとで銀にも教えたろ」


「わざわざ言わなくていいから!」


「あだっ!?」






なかなか侑くんの喋り口が止まりそうになかったので、

その額に軽くデコピンをして黙らせた。

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作者名:. | 作成日時:2020年1月29日 23時

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