俺がまもるから ページ34
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それから『おくすりもうちょっと増やすなあ』と
ヤスが点滴をゴソゴソし始めて、
眠剤かなにかやろうか。
ふわふわして、また眠くなってきた。
寝てしまったら懲りずにいやな夢を見る気がするのに、ゆりかごに揺られてるみたいな感覚にまぶたが落ちてくる。
ナイトテーブルの上で焚かれたアロマの香り。
おれ、聞きたいこといっぱいあるん。
宗教組織スメラギの詳細とか、陽派の人体実験、横山さんの秘密、Aさんのこと・・・
それは再び訪れたおだやかな暗闇に、すべて呑み込まれていったけど。
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今度は、何の夢やろう？
ぽたぽたと、顔に水滴が落ちてくる。
目の前で、飴色がきらきら光っていて
Aさんが泣いていた。
いかないで。わたしを一人にしないで。
俺はそんな彼女の白い頬に手を伸ばす。
大丈夫、俺は消えへんよ、一生いっしょやから
その宝石みたいな涙を掬って、
いつかせかいが終わりを迎えるそのときまで
俺がお前をそばでまもるから、と
・・・あれ？ おかしいな。
まもられてるのは、いつも俺のほうやのに。
それでも泣き止まないAさんの涙が
ひどくあたたかくて、いとおしい。
ああ、俺の。
俺の――――かわいい、天使。
これは・・・
これはいったいだれの記憶なん？
.
意識の端のほうで
顔を覗かれる気配を感じた。
冷たくて大きな手がおでこに触れる。
衣ずれの音と、からん・・・とわずかに響いた金属音で、それが誰なのかわかってしまう。
胸につけたメダル型勲章の擦れる音や。
・・・横山さん。
きっといつものように軍服に身を包んでいるであろう彼の、ちょっと意外なほどやさしい手は眠る俺のおでこに乗せられたまま、動かへん。
横「・・・お前には、俺と同じ思いなんか絶対にさせへん」
ふと、横山さんがつぶやくように言った。
俺は目も開かへんし、指ひとつ身体が動いてくれへんから、返事をすることもその顔を見ることもできひんけど。
どうしてか、
彼が泣いているような気がしてしまうねん
横「絶対、俺がまもったる」
その言葉が合図のように、俺の意識はまるごと包まれ、今度こそおだやかな暗闇へと引っ張られていく。
よくわからんけど
自分がひどく安心していることだけは確かやった。
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べに(プロフ) - megumonkeyさん» わ〜〜ありがとうございます！^^ めちゃくちゃ気まぐれになりますが更新していきますね！ (2021年9月27日 15時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 続きか読めてとても嬉しいです‼︎ (2021年9月27日 12時) (レス) @page38 id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - 更新ありがとうございます！楽しみに待っていました！！ (2020年10月5日 18時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» 戦闘シーンわりと中2クサイけど書いててめっちゃ楽しいです〜〜！！ (2020年8月1日 17時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ぬあああああああ！！！！！（言葉にならない素晴らしさ） (2020年7月25日 15時) (レス) id: 672a09a9f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年7月11日 20時
