金色の夜叉 ページ21
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あ、俺マジで死ぬかもしれん、て。
そう思った。
だって、どう見てもあの蛇は本気を出してへん。
まるで俺たちを弄ぶように。
素早い動きでこちらの攻撃をかわしては、少しずつ、じわじわと追い詰めてくる。
あんなん、絶対、倒せへん。
稀代の何やらとは言うけれど。
俺のためにいま目の前で命を賭けて戦ってくれてるAさんに対して、なんか、申し訳なくなった。
こんな一介の高校生のガキのために。
大「Aさん」
大蛇の牙から滴る毒は酸性なのか
やわらかだった草地が溶けて
一部が焼け野原のようになっている。
必死で攻撃をよけながら、なんや明らかに手数が増えたと思ったら、
バケモノにはさらに８本。
頭だけでなく、尻尾があることに気づく。
大「Aさん、俺」
「余計なことは考えずに集中するのです！」
Aさんは数枚の護符を地面に叩きつけ
ブワッと勢いよく、炎の壁を作り出す。
一瞬、大蛇が怯んで首を引っこめる。
パチパチと、静電気のような音がきこえて、
見るとAさんの左目から何かが零れ落ちている。
なに？
涙・・・？
こぼれているのではなく、それはあふれていた。
そのひとみが、夜の暗闇に光る獣の目のように、ゴールドに光り輝いていた。
大「えっ」
どういうこと？・・・俺がまばたきをした直後にはもう、Aさんは飛び出していて、
その背中が躊躇いもなく炎に突っ込んでいく。
ギャアと耳障りな、鳴き声が響いた。
大蛇の首が、ふたつ――――ゴト、ボト、と地面に落ち転がるのを――――炎越しに見た。
「ッ！！」
大「Aさんっ」
怒り狂ってうねる大蛇の太い尾が
Aさんの細い身体を弾き飛ばして。
木に激突した彼女は、ずるずると地面に沈みこむ。
慌てて駆け寄って抱き起こした。
Aさんのひとみは両方とも同じいつもの飴色で、俺はなんというか、こんな状況なのにすこしだけホッとしてしまった。
大「大丈夫！？」
「・・・平気なのです」
俺を安心させるように笑う顔に、胸がぎゅっと痛くなる。
思わず翡翠丸を握りしめた。
何もできへん自分が悔しくて、憎くて、歯痒くて。
・・・なんやねん、ホンマに
大「・・・・・」
刀を握る手に何か、ドクン！と奇妙な感覚が走る。
頭に血がのぼる。
からだが熱い。
俺はそっとAさんから離れ、刀を構えて、呼吸を整える。
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べに(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、コメントありがとうございます！わああとってもうれしいです、励みになります！(；；)お話はまだまだ続くので、頑張って更新していきますね！ (2020年7月2日 1時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - とっても面白いです！シリアスなのにコメディタッチで、とっても読みやすいしとにかく物語に引き込まれました！一気に読み進めて続きが楽しみです！更新頑張ってください♪ (2020年6月30日 21時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» わーーんめちゃくちゃうれしいですうう(；；)ありがとうございますなのです！(エルちゃん風) (2020年6月22日 21時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさんお疲れ様です！私個人の意見ですが、もうこれは無料で読めるアプリの域を超えているような素晴らしさなのです(エルちゃん風) (2020年6月21日 8時) (レス) id: 5d604581ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年5月22日 21時
