救世主の色は漆黒 ページ22
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「ちょ・・・ばかっ！」
そんな声が、きこえたけど。
飛びついてきた２つの頭を避けて
深く深く屈み込む。
考えるな、感じろ、俺。
大蛇に向かって駆け出すと
いち、にの、さんで助走を切って、
力いっぱい蹴った地面から
自分でもビビるくらいの高さまで飛び上がる。
バケモノの目が、一瞬、見開かれた。
重力に従って落ちていく身体ごと、その首目掛けて、翡翠丸を振り下ろした。
大「っ・・・！！」
ドシャッというものすごい音を立て、頭ひとつが胴体から切り離されて、落ちる。
合わせて３つの首を失った大蛇が、ギャアギャアと狂ったように暴れた。
俺は着地に失敗して、カッコ悪くも顔から地面に突っ込んでまう。
大「ぶへっ！！！」
「そんな・・・・・うそだ」
頭が痛くなるほどの甲高い鳴き声が響き渡る中で
Aさんの愕然としたようなつぶやきは
でも俺の耳にも届いていた。
着地失敗のおかげでデコがひりひりするけれども、
ぼーっとする間もなく起き上がって
その暴れて地面を叩く複数の尾から離れる。
Aさんももうすでに何もなかったかのように立ち上がっていて、
まずは俺の顔を、そして翡翠丸を、さらに擦りむいた血まみれの膝を見て、勢いよく俺の服を掴んだ。
「いまの、どうやったのです」
大「え？えあ、あ、俺もようわからんって、その」
「あんな堕神のような魔物、陰陽師でもないただの人間では絶対に絶対に斬れないのです。
破魔の刀を持ってるとはいえ、いくらなんでもありえないのですっ」
大「いやっ、マジでホンマ、何も変なことはしてないねんけど！・・・
お、俺が神因保持者やから、とかっ？」
ふと、人の近づく気配がして、
ハッとした直後にはもうその人物が姿を見せていた。
大「横山さん・・・」
横「随分と派手に暴れてくれてるやないか」
なんか、いつもと雰囲気が、違う・・・？
大学院生のすがたをした横山さんは薄い笑みを浮かべて、武器も持たずに俺とAさんの前に立つと、大蛇に向かって語りかける。
その声音は落ち着いているのに、まるで凍りついたかのように冷たかった。
大蛇が、まるで怯えるみたいに、残った５つの首をすくめた。
横「堕神が。・・・俺の家族には手ぇ出させへんで。
３つも頭取られて、もう充分やろ・・・それともその満身創痍で、俺とやるか？
惜しければとっとと去れ。今回だけは見逃したる」
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べに(プロフ) - ゆうみさん» ゆうみさん、コメントありがとうございます！わああとってもうれしいです、励みになります！(；；)お話はまだまだ続くので、頑張って更新していきますね！ (2020年7月2日 1時) (
レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - とっても面白いです！シリアスなのにコメディタッチで、とっても読みやすいしとにかく物語に引き込まれました！一気に読み進めて続きが楽しみです！更新頑張ってください♪ (2020年6月30日 21時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - ココナッツさん» わーーんめちゃくちゃうれしいですうう(；；)ありがとうございますなのです！(エルちゃん風) (2020年6月22日 21時) (レス) id: e3692f9d07 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - べにさんお疲れ様です！私個人の意見ですが、もうこれは無料で読めるアプリの域を超えているような素晴らしさなのです(エルちゃん風) (2020年6月21日 8時) (レス) id: 5d604581ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べに
| 作成日時：2020年5月22日 21時
