愛とは ページ9
os side
執務室で仕事中、扉を叩く音がした。
時刻は午後16時を回る前。
os「どうぞ。」
『失礼します、』
書類を抱きしめたAさんが入ってきた。
os「…、どうぞ、座ってください。」
俺はペンを置いて、紅茶を淹れる。
os「書類預かります。」
『…ありがとうございます、』
紅茶を出して、書類を貰う。
貰った書類は、仕事机の方において、Aさんの対面に座った。
os「何があったんですか？」
部屋に入ってきた彼女の顔は、苦しそうで。
一目でステラちゃんとシッマのことだと察した。
『……陛下と、ステラさんが、近くて。
私、嫌だなって…思ってしまって……』
Aさんは紅茶のカップを持って俯いたまま、そう答えた。
か細い声から、不安と動揺が伝わってくる。
『ステラさんと一緒にいる陛下を見ると、喉が詰まったみたいに苦しくなって…
陛下が…ステラさんの方を向いて、私を見てくれないのが寂しくて、
陛下に好きだと言われた時、ありがとうございますなんて返事をしたくせに、私は…、』
ティーカップを持つ手に力が入って、紅茶が揺れていた。
os「…Aさんは、シッマのことどう思ってるんですか？」
Aさんが一瞬俺を見た。
『……私は、陛下のことが好き、
…恋愛感情として、好きです。』
目線を紅茶に戻して、はっきりとそう言った。
『…陛下に好きだと言われた時、何故同じ言葉を返せなかったのか…
今ようやくわかりました、私…怖かったんです…
同じ言葉を返したら、今みたいに、嫌な欲を出してしまって…、
陛下の重石になってしまうんじゃないかって…』
Aさんは、シッマのことをよく理解してくれてる。
理解して、尊重してくれてるから、
自分のことが後回しで…
シッマが嫌がるだろうからって、愛を望まず、
シッマの力になりたいと、自ら仕事を手伝って。
こんなにも、コネシマという男に尽くしてくれる人は、
きっと彼女以外にいないだろう。
os「Aさん。今言ったこと、今思ってること全部、
コネシマに言ってやってください。」
『…それは…、』
os「大丈夫。あいつは貴女を嫌ったりなんかしませんよ。
確かに自分の幸せの最大化のために生きてるようなところはありますが、
十分他人を思いやれる人だ。それはAさんもわかるでしょ？」
Aさんは目に浮かんだ涙を拭って、そうですね。と言った。
俺は、空になったティーカップを片付けて、食堂に向かった。
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イデア(プロフ) - ささみさん» ささみさんコメントありがとうございます！リクエスト了解しました！！がんばります！ (2022年9月13日 12時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
ささみ(プロフ) - 初コメ失礼します！大好きな作品でワクワクしながら見させてもらってます！無理せずに頑張ってください！リクエストでコネシマさんとのデートを書いて欲しいです！不器用ながらも頑張るコネシマさんを書いて欲しいです！よろしければお願いします！🙇⤵︎ (2022年9月13日 2時) (レス) @page14 id: 79dd93f2b5 (このIDを非表示/違反報告)
イデア(プロフ) - 檸檬さん» 檸檬さんコメントありがとうございます！ほんとですか！嬉しいです…！！励みになります！ (2022年8月25日 1時) (レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - この作品めっちゃ好きです……無理せずに更新頑張って下さい…！！次回も楽しみです！ (2022年8月25日 0時) (レス) @page4 id: 86629010c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イデア | 作成日時：2022年8月18日 2時
