夜 ページ40
kn side
Aが出ていってから数十分経った。
kn「…遅いな、」
病み上がりだからかまだ少しだるさの残る体を起こし、部屋の扉に手をかける。
少し廊下を覗いてみようと扉を引いた瞬間、
『わっ…！？』
kn「おっ？」
体勢を崩したAが、
そのまま俺の胸に飛び込むように倒れてきた。
咄嗟に受け止める。
華奢な体がすっぽりと収まった。
その状況を理解するまで、少し時間がかかった。
『陛下…！？すいません、大丈夫ですか？』
kn「えっ、あ、おう、」
Aはすぐ体を離し、俺の心配をしている。
『なにか外にご用でしたか？』
kn「あー、いや、帰ってこんなぁ、思て」
『あぁ、すいません、台車を借りていたら少し遅くなってしまいました』
そう言う彼女の左側には、2人分の食事を乗せたワゴンが置いてあった。
kn「また1人で持ってきたん？」
使用人に任せれば良かったのに、と言おうとしてやめた。
こんなことがだいぶ前にもあった気がする。
『たまにはこれくらい良いかなと思って…、いつもよくお世話してもらっていますから、』
ワゴンを押して、Aが部屋に入る。
『椅子に座って食べられますか？』
kn「おう。」
部屋にあるテーブルの上に食事を置く。
二人掛けのソファー
隣に座って手を合わせる。
『「いただきます。」』
初めて一緒にとる夕飯。
今日は特別、Aと過ごす時間が長い。
こんなことなら毎日風邪を引いてもええな、なんて。
『…陛下？どうしました？』
kn「ん？いやなんか、楽しいなって。ﾌﾝ」
『？そうですか』
あー……、結婚してよかったな、うん。
きっとあいつらが聞いたら揃って驚き、からかってきそうなことを思いながら
今を楽しむ。
・
それからあっという間に時間は過ぎて、
夜9時頃。
Aは空になった食器をワゴンに乗せて、俺の部屋をあとにした。
『おやすみなさい。風邪引かないようにあったかくして寝てくださいね。』
別れ際の言葉を思い出して笑いながら、俺はベッドに深くもぐった。
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イデア(プロフ) - めさん» な、なんだってーー！！？(((すいません初コメにテンションが上がってしまいました、ありがとうございます…！！励みになります！ (2022年8月21日 0時) (
レス) id: 8186d383a3 (このIDを非表示/違反報告)
め - この作品ほんと大好きです (2022年8月21日 0時) (レス) @page47 id: b02816ae41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イデア | 作成日時：2022年6月19日 0時
