cafe碧空日記 <短編：chocolate記念日 >

16　その後の日々 ページ16

N「まったく、なんで私までやらなきゃないんですか〜！！」


あれから、午後は俺は蔵で過ごしている。
さとしはいいよ？
基本、器用だから、トヨさんの指導の下、
寝転んで、ちゃくちゃくと棒を動かしている。

もちろん、えりもそう。

ちなみにえりの親には、
事情を話して、
学校帰り、もちろん5時までとの約束つきで、
ここに通っていいと許可は得ている。

だから、えりも真剣な顔。
はぁーーー、恋する乙女ってこんな感じなんだ。


だいたい俺は、尽くしてもらうのが向いてるの！！

それに・・・
何やかにや言って、モーニングコーヒーだって、ご飯だって
まーのほうがよっぽど・・・旨いんだ。
慌てん坊に見えて、案外さらっと物事をこなす、まー。

おれはそのサポートするって決まってんの。

なのにさぁ・・・。


O「にの、ブツブツ言っても完成しないよ？」

N「ちぇっ、わかってますよっ！！」


あなたよりは、俺のほうがよっぽどお洒落なんですからね！！
選んだ色合いは自信あるんだから。

まぁ、あなたの場合、何を選んでも、


S「さとしくんが、俺のために！！」


ってデレデレするのを見せられるんだろうけどさぁ。


まーはお洒落だし、
失敗したら・・・喜んでくれるかわかんないしさぁ。

それに・・・
逆に気を使われて、気に入らないのに使ってくれるのもなぁ・・・。

あああ。
俺だって、


A「やっぱりにの！！」


って顔中の笑顔・・・見たいけどさぁ・・・。


つい、
棒の先を見ながら
ブツブツ言ってしまう。


あーー、もう絡まるし、めんどくせぇっ！


えり「かずにいって、案外乙女っていうか、めんどくさい人だね。」

N「うるさいわっ！！俺は、大事にされる側なの！！」

えり「へええええ。そんなこと言ってちゃんとカタチにしないと、まーにいだって、他むいちゃうかもよ？案外、まーにいって『母性本能くすぐる〜』って人気なんだから」

N「うっ・・・。わかってるよ・・・。」


なんで俺が5年生に諭されなきゃないわけ！？


O「ふふっ、だいじょうぶだよ、えり！！おれよかにののほうがよっぽど尽くすよ。」

えり「何々？教えて！！」

N「余計なこと言うなよっ。」


俺が慌てて言うと、
蔵が大爆笑に包まれた。


トヨ「ほらかずちゃん、やりましょ。太い糸使えばやりやすいわよ？」

えり「トヨさん！！あの指編みだったら、かずにぃも出来るんじゃない？」


くっ！


N「トヨさん！！俺ちゃんとやるから！！」


俺だって器用なんだ！！

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