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10.儚い夢 ページ10

羽風side




「あの、なんで私ここに」



「警戒しなくても大丈夫だよぉ
Aちゃん♪」



やっぱり兄弟だねぇ
さっきゆうくんも同じような事言ってた♪



みたいな事言って彼女を
自分の膝に座られるせなっち。



「あ、だからあんなにまこくん疲れてたのか…」




っていうか私、自分で座れますっ!!
とせなっちを引き離そうとしている彼女。




「せなっちー、離してあげたら?
その子も困ってるみたいだし」




「ええー、だって離したらいつ逃げるかわからないじゃん」




「逃げないので、離して下さい…」



そう?
と名残惜しそうに彼女を離したせなっち。



Aっっっ!!
と叫んだと思ったらどこかに走っていったせなっちは
この金髪美女を連れてきて戻ってきた。



確かに可愛い。



揺れる金色の髪は
彼女の白い肌に似合っていて


綺麗だ。




「あ…こ、こんにちは」



思わずじっと見つめていたら
彼女と目が合った。



「こんにちは、俺は羽風薫
よろしくね」



ひらひらーと手を振ると



「は、はい!
私は遊木Aです!」



と、下手な作り笑いを見せてくれた。


え、可愛い。



「Aちゃん、か
じゃあさ、連絡先とか教えてもらっていい?」




「あ"??」




図太い声出すなーと思って驚いたら



その発声先はせなっちだった。



「A?
こんなやつ相手にしなくていいからねぇ?」



俺だけ見てたらいいから
と頬ずえをついて笑顔でAちゃんをみるせなっち。



「え、あ…」



いや怯えてるよ。



「あ…私、今日…
あれがあるから帰るね」




「んー?なぁに?」



大体の予定は把握しているつもりだったんだけど何があるのぉ?



と虚言なのかもよくわからない事を言っているせなっちに怯えつつ瞳を揺らすAちゃん。



「か……」





「ん?か?」






「か、彼氏とのデート!!!!!」





赤面させてそう言うと、走って帰ってAちゃん。



そして、追いかけるせなっち。




__ん?



「せなっち?_




せなっちっ?!」



俺の隣には、追いかける事もなくぐったりと顔色を無くしたせなっちの姿があった。




「だ、大丈夫?!」



「ゆめ……」




「……は?」





「Aと結婚して俺の妻になり、ゆうくんが義弟になるという最高な夢…」



か、かれし…とでーと…??
そう虚無感に襲われつつ呟いているせなっち。




なるほど。



さすがに本人からその話は
信じざるを得ないか。

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るる瀬 .(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです、、 (2020年8月30日 2時) (レス) id: 5778444860 (このIDを非表示/違反報告)
いー - おもしろいですね!更新頑張ってください! (2019年6月15日 11時) (レス) id: e7732e0526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひなか。 | 作成日時:2019年4月10日 19時

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