指名手配中、某彼氏。【瀬名泉】

14.衣更 ページ14

「ええー、俺が彼氏ですか？」





俺、そういう話なら他にする事あるんで



と、この場を離れようとした衣更くん。






「あーあ、そうやって逃げるって事はやっぱり？」






「なんでそうなるんすか？！」






「えー？だって衣更くん年上とか好きそうじゃん？」






「いや、それだけで彼氏とかとんだ迷惑すぎるんですけど」






違いますから！
と、全否定する衣更くん。




やっぱり、少し安心してしまうのは




好きな証拠？





「えー？結構名推理だと思ったんだけどぉ？」







「いや！遊木先輩の事なら瀬名先輩の方が知ってるはずっすよね？」







「か、彼氏なんて…」







「衣更くん、せなっちの傷に塩塗らないであげて？」






「いやいや、今回は完全にそちら側の用意された塩だと思うんですけど」




とにかく、俺は違うんで部活行きます


と、衣更くんは足を進めた。






「あ、ちょっと待って」





「な、なんですか」







「衣更くんが違うのわかったから
なんか、衣更くんが知ってる事とかない？」







「知ってる事、ですか」




うーん、そうですね
と考えている様子の衣更くん。





追求すればするほど
傷はえぐれていく。






でも、







「そう言えば、最近
高峯の口癖がうつってるんだよね
みたいなこと言ってましたけど」






その傷は



君への後悔(いぞん)にいい歯止めをかけてくれそうな気がする。






「高峯…」






「あー、あの子？」




あの、もりっちから聞く子かぁ…


と、納得した様な様子のかおくん。





確かに聞き覚えならあるけど…







｢よし、その子に話聞きに行くよ｣








｢せなっち顔こわーい｣

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