夏と、恋人ちゃん。 (ページ44)

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眉が下りきったリリはずっとAの顔を覗き込んでいて、むしろAがぽかーんとしてリリを見つめていた。

健「大丈夫そう？」

リ「ごめんなさい」

「あの、全然大丈夫なので」

リ「わざと当てたわけじゃないから、」

「わかってます」

弁解するリリに困ったような視線を向けるAは「大丈夫なのでご心配なく・・・」と口にすると、「はい」と差し出されたリリの手に戸惑ったように視線を泳がせたのちにその手を取った。

エ「・・・なんかすごい二人面白いんだけど(笑)」

慧「シッ」

エ「あれ？(笑)」

ケラケラ笑ってるのはエリちゃんくらいで当の本人たちはすごく気まずそうだった。まぁ、そうなるわな。俺まで申し訳ない・・・。

俺がAに駆け寄ったその時、「はいもう引き分けー！！タイム終わりー！」と樹が声を上げて、リリが申し訳なさそうに「二人ともごめん」とミレイちゃんとユウちゃんに謝ると二人とも笑って「久しぶりにめっちゃ楽しかった！」とリリの肩を抱いた。

美「A大丈夫？」

サ「Aちゃん？」

「あ、うん！全然大丈夫！」

全然平気！と笑うAの腕を引いてコートから出ると、「さっきちょっとビックリしちゃった」と俺を見上げる。

「なんか、逆に申し訳なくなったなリリさんに」

美「うん」

「まぁ痛かったは痛かったですけど(笑)」

美「・・・うん、」

そう笑ったAに困った視線を向けると彼女は「お腹空いた！みゅうさん、焼きそば食べるから付き合って！」と楽しそうに笑った。

昼の時間になって各々休んでいると、「や～、待たせたね！」とサーフボードを抱えたさなぴーが顔を出してAは食べていた焼きそばを慌てて置くと「さなさん！！」と立ち上がった。

「遅くないですか！？」

佑「ちょいといろいろあってね～」

美「おかげで昨日はぐっすり寝れましたよ？(笑)」

佑「一人で寂しくなかった？(笑)」

それだけ言うとさなぴーは「やっさーん」と飛んで行こうとするからとりあえずそれをAは引き止めて「さなさ～ん、久しぶりなんだから！！」とテーブルに呼ぶと「もう～俺のこと大好きだなぁ」とヘラヘラしたさなぴーが俺らの側にやってきた。