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「はぁ、」とため息を消す。まるで幻だ。隣でぎゅっと抱きしめていたはずなのに、朝には彼女の姿が居なくなっていた。なんなの、本当。
朝食を食べている俺に向かって、しれっと「おはよう、みゅうさん」ってスッキリした顔。
今日も朝からサクラとか岩橋にべったりだ。
謙「お前さぁ、なんかいい匂いしない?」
美「えっ」
謙「いつもはしない匂い、」
美「・・・そ、そう?」
謙「ふーん、気のせいかもね」
ニヤッと笑ったやすは俺の隣に座ると「ゲーム楽しみだなぁ」と笑った。
ハ「スイカ割りはもちろんちゃかちゃんだよね?」
謙「毎回宮近にやらせるよね?(笑)」
ハ「だって可愛いんだもん」
そんな会話を耳にしながら、恋人ちゃんはゲームするのかなぁと遠くにいる彼女をちらっと見つめた。
樹「よーし、する人ー?」
女子のビーチボールの前、出番が終わった俺はパラソルの中に戻って風磨の隣に腰掛けた。
樹「ていうか、ハルさん大丈夫?」
樹のその声にバツを出したハルさんはどうやら体調が悪いらしくてずっとやすの隣で顔色を悪くしているからホテルに戻ったら、と思うものの...宮近のスイカ割りを見るまでその場を動く気はなさそうで。
そしてその宮近だけど、ハルさんの隣で具合が悪そうな彼女をうちわで扇いでくれている。
ハ「ちゃかちゃんごめんね?」
宮「いや、俺なんでもします!ハルさん死なないで!」
美「(苦笑)」
健「ハルカさん、 なんかあったら教えてください」
ハ「ありがとう」
その光景を目にしながら笑うと、立ち上がったミレイちゃんとユウちゃんがウキウキしたように会話を始めた。
ユ「どうしよう、運動久しぶりなんだけど?」
ミ「ユウコバレー部だったじゃん」
いけるでしょ!とミレイちゃんがユウちゃんの背中を押すとその横から、「リリもやる〜!」とリリカが長い髪を揺らした。
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年9月8日 23時