君のものは僕のもの【sumika/片岡健太】 ページ4
Aside
「せっかく来てくれたんだけどさ、」
「ん？」
「俺、最近風邪気味なんだよね」
「ふーん、そ」
「え？なに笑」
「関係ないでしょ？ねえ」
私はそう言って、けんちゃんの唇にキスをした。
そうしたら、だんだんキスはだんだん深くなっていって止まらなかった。
翌日。朝起きたら、喉がヒリヒリと痛んだ。
あ、移ったんだな。と思った。
「けんちゃん、私風邪気味みたい」
「そっか。一緒だね」
「ごろごろしよ」
「うん、そうしよっか」
ふたりでベッドにくっついて寝転がる。
君の風邪は、私のもの。
「Aさ、汗すごいよ」
「ほんと？」
「うん、身体も熱いし...
汗で身体冷えちゃうから、服着替えたほうがいいよ？」
「そうだね。でも私、服この1着しか持ってきてないや」
「俺の貸すよ。ちょっと待ってて」
そう言うと、けんちゃんはベッドからすり抜けて行って、
タンスの中からゆったりしたシルエットのTシャツを取り出した。
「これ俺が着ても腰まであるから、Aが着たらワンピースになるかも。ほら」
「ありがとう」
私はけんちゃんからTシャツを受け取ると、その場でさっと着替えた。
「いい感じじゃん。似合ってるよ、可愛い」
「ね、これ可愛い。ほしいなあー」
「仕方ないな笑 持って帰っていいよ」
やった、と小さな声でつぶやいて、
けんちゃんの匂いがするTシャツに顔をうめる。
君のTシャツは、私のもの。
「なにやってんの笑」
「いや、けんちゃんの匂いがするなあって」
「変態〜笑」
「人のこと言えないくせに」
「はあー？なんだとー笑」
けんちゃんが私の脇腹に手をかける。
こちょこちょ攻撃だ。
「あはは、くすぐったい！降参！」
「はいはい笑 俺の勝ち」
ふたりで顔を合わせて、ふふっと微笑み合って、
再び天井を眺める。
「A今日何もないんだっけ」
「うん。1日ひまな日」
「そっか、じゃあゆっくりできるね、
もう少しうちいなよ」
「そのつもりでいた笑
というか、なんか眠くなってきた」
「んー俺も、二度寝しちゃうか笑」
「うん！しよしよ笑」
はい、ってけんちゃんが言って、私のほうに腕が伸びてくる。
そこに私は頭を預ける。
けんちゃんの腕枕が、私は大好きだ。
君の隣は、私のもの。
続く
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作者名：ゆずぽん | 作成日時：2019年4月16日 11時
