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愛する【BIGMAMA/金井政人】 ページ3

金井side





「まさと」


「あっ、A。ごめん待った?」


「いや私も今来たところだからさ、大丈夫だよ」


「それなかよかった。行こっか」


「うん」









平日の夜20時。


俺は颯爽とAの手を握って、夜のビル街へと繰り出した。




Aに依存してしまってる俺。


自意識過剰だったら申し訳ないけど、きっとAも俺のこと少しは好いていてくれるんでしょ?




そうじゃないとさ。



お金払ってまで会わないよ。







いつものホテルについて、いつもの部屋を選択して、エレベーターに乗り込んで、


部屋の扉を開ける。



もう「ただいま」と言ってしまいたいくらい。







「あ、ちょうどあった。はい」


「ありがと、俺もちょうどあった」







Aから受け取ったお金と自分の分を、部屋に備え付けの筒状の容器に入れてフロントへ送る。



最初は全てが新鮮でワクワクしてたけど、今はもうそんなものはなくて。


慣れって怖いなあってこの歳になって感じることが多くなってきた気がする。






愛されたくて、自分を売って。


隙間を埋めたくて、愛を買って。




俺の背中の荷物は日に日に大きくなっていって、


いつの間にかAを満たすにはどうしたらいいのかとか、Aのことで頭がいっぱいで、



常に断崖絶壁に立っている状態で過ごしている気がする。



今Aがいなくなったら、俺どうなるんだろう。









「まさと?まさとー?」


「...あ、ごめん。ちょっと考え事してた」


「すごい顔してたよ?笑」


「ごめんごめん。笑」









普段笑うことの少ないAがふわっと笑いかけて。


きっとこの状況を手放すのは簡単なんだろうけど、


例え愛想笑いでも、Aの笑顔をずっと見ていたいと思った。



だから俺は、








「今日はどうされたい?」


「んー、特にないかなあ
まさとの好きなようにしていいよ、おまかせ」


「え、それ1番困るんだけど」


「あ!でも」


「ん?」


「今日はいつもより、たくさん愛されたいかも」









その言葉を聞くなり俺の頭はショートして、

そのままゆっくり押し倒した。






不純なんかじゃない。



現実ってこういうものでしょう?

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作者名:ゆずぽん | 作成日時:2019年4月16日 11時

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